僕の八ヶ岳話 42

カラマツの森が葉っぱを落とすと八ヶ岳から色彩が消える ほとんどが褐色と灰色の世界だ

そこにもうひとつ加わるのが「白」だ

日ごとに気温がどんどん下がってゆく すでに10月の中旬を過ぎたらもう夜はストーブをつけないと居られなくなっていた そして朝・・・ いつもよりさらに”寒いなあ~”と思い窓の外を見る・・・昨日までの灰褐色の世界の色彩が一変していた 葉を落とした木々の枝先や辛うじて地面に残っている緑の草や落ち葉庭に置いた道具などまで・・・全部が白くキラキラしている・・・ 霜だ

奇麗なのだがとにかく寒い 玄関に設置しておいた温度計を見た・・・氷点下だ!
まだ11月に入ったばかりなのだ そこから4月の中旬くらいまで・・・八ヶ岳は長い冬の季節を迎えた 僕ら夫婦が初めて迎える八ヶ岳の冬・・・それがどれだけ過酷なものかは、まだ僕らは知らずに居た ふと1年前に自動車教習所の教官が言った言葉を思い出した

「八ヶ岳の冬は地獄だぞ」

夏の間あんなに賑やかだった清里の駅前もまるで人の姿はなくなり何軒かの店はシャッターをおろす 夏の間だけしか営業しない店がいくつもあるのだ かみさんが勤務していたショッピングモールで手作りアクセサリーを売っていた男はもっと暖かい土地へと移動していった 渡り鳥みたいな商売をする人間たちにとって冬の清里は「エサの無い」土地なのだ

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