かみさんが免許を取得して車を運転できるようになってようやく我が家の生活も安定してきた すると、僕の中で新たな問題がむくむくと頭をもたげ始めた 仕事のことだ
相変わらず僕は最初に就職した工場に通っていた 新しい住居からは車で３０分弱 それほど遠いとは思わなかったし通うのにも慣れた しかし、いつまで経っても慣れることができなかったのは職場の環境だ これは以前にも書いたが、灰色の作業服で恐ろしいほどに騒々しくて油まみれの危険な職場に一日中居る・・・それはまだ我慢できたが、とにかく職場の人間関係の奇妙さ（どんなことだったかは八ヶ岳話３２に）・・・これがとても耐えられなかった
まるで機械の部品かロボットのように一日をそこで過ごす･･･僕は元々あまり社交的ではないこともあったが、そこでは友人を作ることも出来なかった 移住してきた人間ということで、明らかに僕に対する周りの人間との間に見えない溝があるのを感じていた
給料はまあ悪くは無かった しかし、毎日残業残業・・・家に帰るのは大抵夜の１０時過ぎになった 稼ぎにはなったがどうにもこの職場の環境に我慢ができなくなっていた
そこである日僕は意を決しある場所へと出向いた それは「職安」・・・それも前とは違い甲府にある安定所だった 韮崎は甲府に近い 車で３０分も走れば甲府の中心街に辿りつく 地方とは言ってもやはり県庁所在地の大きな街だ そこだったらもっといい、僕に合う職場が見つかるのではないかと・・・そう思ったのだ
今では（と言っても１０年ぐらい前の話だが）「ハローワーク」に行くとパソコンがずらーっと並んでいて、そこで自分が求める条件を打ち込むとその条件にあう企業や店舗が検索できるというシステムがあるが、その当時は本棚みたいなところにぎっしりと並べられたファイルを取り出し中にファイリングされている求人の条件の中からお目当てのところを見つけてそれを係員のところへ持っていて紹介してもらうという段取りだった
さすがに甲府・・・仕事はいくらでもあった その中から何を選ぶか・・・まず工場はゴメンだ それから飲食などサービス業、これは前に散々やってたのでもうやりたくは無かった 警備業もちょっとなあ・・・
高円寺ライブハウス ペンギンハウス出演するには？
