僕の八ヶ岳話 64

ここに1枚の写真がある ずいぶん前のものだが、僕が「田舎暮らしの本」という雑誌に紹介されたときのものだ かなり本格的な格好でしょ(笑)

煙草を咥えているように見えるが、これは仕掛けの目印のナイロン糸がちょうど口元と重なって写っているからだ この当時は体力もあったなあ・・・一日渓流の中を移動しながらの釣りはかなりの体力を消耗するのだ この当時の僕はかなりの「山男」になっていた

何投目だろう・・・それまで見向きもしなかった魚がすうっと動き出す すると釣り糸に付けてある目印が今までとは微妙に違う動きをする 下流に向かって流れていたものがふっと止まる、あるいはすっと水中に引き込まれる その瞬間だ! 素早くぐっと竿を煽る 瞬間手元にぐぐっと下手応えが来る 竿先がぐいっと引き込まれる ここで大事なのは魚を暴れさせずいかに素早く引き上げるかだ 水中で暴れさせるとそれはほかの魚に危険を知らせてしまう よほどの大物でなければそのまま一気に引き上げる 空中を舞い手元に獲物がやってくる イワナだ!20センチほどのまあまあな型だ すかさずビクに入れるのだが、そのとき僕が必ずやっていたことがある 

それは釣り上げたらすぐに魚を掴み頭を下向きにしてそこらにある岩の尖った部分にその頭部を思い切り叩き付ける すると魚は一瞬ピクピクと痙攣するがすぐに絶滅する これは残酷なようだがビクにそのまま入れておいて暫く生かしておくよりはいいことなのだ 窒息して息絶えるよりは苦しみは少なくて済む しかし、殺してしまうことにはきっと多くの人が嫌悪感を覚えるだろう ただ、今主流になってる「キャッチアンドリリース」という釣った魚をそのまま逃がすというやり方は一見人道的に見えるが、魚は口に大きな傷を負ったまま放流されるのだ 中にはその傷から感染症を起こして死んでしまうものも多いと聞く それにゲームとしてやる釣りには僕はどうしても違和感を感じる 「ルアーフィッシング」や「フライフィッシング」などをやる人の中には「魚と遊ぶ」というような言葉をよく聞くのだが、魚に取ってみればそれは決して「遊び」ではない
だから僕は釣った魚は(基準寸法以下は別だが)すべて持ち帰って食べていた それが命に対するむしろ敬意なんだと思う 今僕は渓流釣りは全く止めている それは一時期もの凄い渓流釣りブームが起きて、釣り人が・・・それもマナーを全く守らない輩が増えてきて、僕の大好きだった相木川からも、めっきり魚が減ってしまったからだ
その後、この川の上流には巨大なダムが作られた 僕の大好きだった川はもう今は無い

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