亜郎部屋の片づけ(膨大な量の書籍)前

丹沢亜郎は離婚してその後それまで住んでいた家を出てアパートで独り暮らしをしていた その新居は元住んでいた処から徒歩でわずか5分ぐらいのところ・・・ この物件は元妻である仲田修子が不動産屋を回り、彼のために探したものなのだ

旧家から近くにしたのはまず亜郎が長年住み慣れた高円寺に近いこと、そして何かあればすぐ駆け付けられるということも考えてのことだった そしてその「何か」がまさに起きてしまったのはもうご存知のとおりである
僕は亜郎が亡くなるまでその部屋に行ったことは無かったし、大体このあたりという情報は知ってたので、たまにそのあたりを通りかかると「どのアパートなんだろう」とちょっと探したりしていたのだが・・・ その時僕は勝手に「きっと木造モルタルの築何10年も経ったボロアパートなんだろう」と想像していた

ところが、今回の件が起きて彼の部屋の片づけをするためにそこを訪れてびっくりした
入口に暗証番号を打つ「オートロック」がかかっていて関係者以外は敷地内に入ることができない そして建物もかなり新しいコンクリートの・・・アパートというよりは「マンション」だった これは全くの想定外 そしてカギを開けて部屋に入ると いわゆる「ワンルームマンション」で決して広くはないが、トイレもシャワールームもあるそしてまるで新築のような汚れも傷も全く無いお洒落な部屋だった

ただし、案の定その部屋は以前彼が住んでいたところと同じようにおびただしい量の書籍で埋め尽くされかかっていた

これらのものを2月の5日までにすべて処分しなければならない 僕らは途方にくれていた

そこへ手を差し伸べてくれたのが高円寺で「デアデビル」という店をやっていて「我々」というバンドでペンギンハウスで隔月で企画ライブをやってくれていた小松さんという人物だ

「亜郎の本、俺が引き取るよ!このまま無駄にするのは勿体ないから

僕は彼の申し出を快く受けることにした もうあまりにも日数が少なくて、このままではあの膨大な書籍は多分ただのゴミとして処分されてしまうのは目に見えていた

彼とバンドメンバーのアオウさんの2人で、それも台車を使って片道20分はかかる距離を3往復以上はしたらしい 僕も亜郎の本をいくらかペンギンハウスに運んだが、とてつもない重労働だった それだけでなくなんと部屋の清掃までしてくれてたのだ 本当に彼らには感謝してもしきれない そして彼らが運んだ本んは今どこにあるか?

それはこの続きを読めばわかるのです

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