ジパング       2日

なんだか今日は妙に暖かかったなあ 外に出るとまるで春のような陽気・・・どうしちゃったんだろう あとでわかったが4月ごろの温度だったらしい そういえば、近所の神社には「節分・豆まき」のポスターが
そうかあ、明日は節分だ そして明後日は「立春」なんだねえ

暦の上ではもう春ってわけか・・・でも騙されないぞ 絶対にまた寒くなる 僕の家のほうでも「最低気温」が出るのはこれからだ
さて、今日のライブの話にいこう 今日はねえ・・・なんていうか・・・すごく元気なバンドばかりだった はっきり言えば音のでかいバンドが多かった(笑) 今日最初の演奏者はピーフラン g/vo ,dsの2人編成だが2人だって甘く見てると大変だ ギターの宮園は最近アンプを2つ使う その2台のアンプからリバーブやフランジャーがよく効いた太~い音が出てくる そしてそれに諸橋のドラムがスナップの効いたタイトで重量感のあるドラミングでビートを加えるとピーフランワールドが出来上がる そして歌・・・すべて彼らのオリジナルの曲なのだが、その歌はとても東洋的というか日本的な情緒がある・・・それはボーカルの宮園の声のせいもあるんだろうが決してR&Rではない何かがそこにある 今日初めて聴いた「インストール」という曲はいつもと違うリズムパターンを使って面白い曲だ 「虹の蛇」に続いて僕のお気に入りの曲がまた1つ増えそうだ

次に登場するバンドも東洋的といえばかなりそうだ 川口雅巳ニューロックシンジケイトはg/vo ,b ,ds の3人編成のロックユニットだ このバンドのサウンドはとにかくヘビーなボトムを持っている それもそのボトムのかなりの部分を川口のギターが受け持っているというところがすごいのだ 彼の音を聴いてるととにかく8ビートの表と裏・・・全部の16拍を強烈なピックアタックで「ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!」・・・これで1/4拍子だ・・・弾き切るという凄まじいピッキングに支えられている それがテレキャスとは思えないような粘る重みのある音で出てくる 聴いてると心臓が苦しくなりそうだ それくらい刺激的だ それにバンドのタイトなリズムが一体になる それにも関らず、彼の歌い方はやはり暗い闇と湿り気を含んで限りなくアジアを感じさせる けっして「イエ~イ!」という感じではないのだ 「ズ・ズ・ズ・ズ」・・・と大地からせりあがってくるような・・・

ここまでハードでヘビーなロックサウンドが続いた 今日は最後は「みみのこと」が出るし聴いてるお客さんも当然そういうのを「期待」していたのだと思う それが次に登場するユニットは見事に裏切ってくれた(笑) サイトウエレトリコ sax ,trombone ,key ,b ,ds という5人編成のこのバンドを「あれみたいな」というジャンルでくくるのは非常に難しい 限りなく捉えどころのないこのアバンギャルドサウンドが登場したときの今日の聴き手の最初の反応は「唖然~」という感じだった まるで狐につままれたように・・・楽器のソロもなければ1分足らずで突然終わってしまう曲・・・2曲目が終わっても拍手すら来ない(笑) やがて、彼らがようやく何をしているのか理解でき始めたところからお客も聴く体制になった これを観ていて僕は本当に楽しかった こういう反応こそ多分あのリーダーサイトウの「思う壺」だからだ 相変わらず人を食ったようなMCそして突然演奏は終了する 客席はまだ「ぽか~ん」だ

そして、最後は「最重量級」ユニットみみのことが登場する g/vo ,b ,dsという3人編成のこのバンドはボーカル&ギターのスズキジュンゾの視覚的にも存在感のある巨体から出てくるものすごくヘビーでスピード感のあるギター(彼のピッキングもすごい)と奥深く優しい歌 それにドラム&ベースのとてつもなくファンキーで時には暴力的でさえあるインパクトのあるサウンドとが合体してそれはまるで超高速で走る巨大な乗り物のようにやってくる 曲のあいだのMCはほぼドラムのシムラの担当だがこの「ゆるゆる」な感じもみみのことのお楽しみの一部 そして、彼らのサウンドも限りなく深いロックなのだがどこか東洋的なエッセンスが満ちている それもあるのだろうか 今日の客席には外国人(白人)のお客も多かった 今日の4バンドを観て彼らにはどう見えていたのだろう 遠く「ジパング」で勝手に進化してしまった「自分達」の文化の姿を

・・・そして高円寺ライブハウスの夜は・・・

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