最後の1滴まで      1日

今日のペンギンハウスライブの出演者は全部で5組 数も多いが中身も濃い・・・濃かった
最初の出演者は吉田雄吾だ 「濃さ」に関して彼にかなうものもなかなか居ないが、今夜の雄吾もうっかりすると足元掬われかねない顔ぶれがこのあと並んでる だからといって普段と変わることもない 普段で彼はものすごいのだ Martinのアコギをがつんがつん鳴らす よく鳴るギターだとはいえこの音のインパクトはかなりのものだ これだけしっかり鳴らしてもらったらギターも本望だろう その音に乗せて今夜の雄吾も烈しく歌う叫ぶ!あの2色の声も今日も絶好調だ(本人は調子はイマイチと言ってたが)髪振り乱し口をぐわ~っと開け・・・ステージの彼は完全に「鬼」だ

次に登場するのは あさのおよぐだ 前回のライブではちょっと不完全燃焼のようだった彼は今日は最初からハイテンションだ テンションが高すぎて途中でちょっとつまづきそうになるがそんなことで彼は頓挫しない その姿を見ているとギターを抱えて全力で走る少年の姿が重なって見えたような気がした 水溜りだろうが砂利道だろうがお構いなしだ・・・それがパンクなのだから 今日のあさのおよぐの演奏は重量感があって楽しかった

その次はちょっと変り種の出演者だ 高円寺奇想天外魔鏡vol.1という名前の主はKというペンギンハウスではお馴染みの常連だが、出演するのは初めて さて、どんな演奏を聴かせてくれるのか・・・フタを開けてみればそれは演奏じゃなくて・・・なんだろう そうか、紙芝居だこれは その話は「桃太郎」を下敷きにしたファンキーでシュールなお話で・・・正直けっこう年齢いってる僕やマスターには少しわからない部分もあったが若いお客にはけっこう受けてたな このパフォーマンスも磨きをかけてけばもっと面白くなりそうだな

そして、4番目に登場するのはアコースティック2人組の高田だ このちょっとお騒がせな感じの2人は去年の後半からペンギンハウスに出演するようになったが、最初はその目指すのがパンクなのかポップなのかフォークなのか、ちょっと捉えどころが難しいような感じがあったのだが、会を重ねるにつれ段々輪郭がしっかりしてきた 彼らの目指すのはやっぱり社会派フォークデュオなんだろう 今は本当に居なくなったこのスタイル 2人のコンビがしっかりしてきた今 本当に頑張ってほしいな ところで、このキャラが違う2人のコンビを観ていて僕はふと「あの2人」を思い浮かべた それは「エノケン&ロッパ」だ 昔の喜劇コンビだが どこか連想するんだよなあ

そして、最後に登場したのは普段はTHE IGNORANTSというバンドでリーダー&ボーカルをしている上村秀右だ これだけの個性の強いアクの強い出演者ばかりが並んだあとで彼はどうするのか・・・一同が見守る中でステージに座ると左手にボトルネック そして旧いフルアコのギターを抱えるといきなりものすごいスライド奏法が始まる その音の太いこと・・・もうそれだけでその場に居た全員が心を持っていかれてしまった そこからは秀右舞台だ ビートルズの曲に自分で歌詞を付けた曲やオリジナル曲や・・・それを溢れ出すばかりのエネルギーとパッションで彼のステージは進む これに心動かされずにいるのは難しいよなあ いつもより長いペンギンハウスライブだったが、最後の最後の一滴まで絞りつくすような演奏者と聴き手の時間は緊張感と楽しさが同時にものすごいテンションで上昇しっぱなしだった

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜は・・・

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