ジャンルって何?    17日

今日、ライブ前に色々忙しく作業をしているところへ面倒くさい電話がかかってきた ライブに関しての問い合わせなのだが、声からするとかなりのご高齢のようだったが店の場所とかチャージのこととかドリンクの値段とかいちいち細かく聞いてくるのはまだいいとして「お宅はどういうジャンルの演奏が出てるの?」と聞くから「ジャンルというのはありません、何でもです」と応えると「僕はロックが好きなんだ ロックのバンドは出ないの?出てるとしたらいつ出る?」 ときた
逆に聞き返した 「失礼ですが、あなたのおっしゃるロックってどういうものなんですか?」
すると「だからさ、リードギターがいてドラムがあってボーカルのある3人編成ぐらいのやつですよ」
まあ大体そういうお考えなんだろうなとは思ってたが、じゃあアコギ2本でやってる東京セッションとかギターだけで歌うあさのおよぐとかは「ロック」じゃないことになるのかね・・・
僕も段々腹が立ってきてイライラしながら答えてる自分を少し修正しながらまあその方が気に入りそうな出演者の出る日をご案内して電話を切った まあ、あまたある高円寺のライブハウスからうちを選んでくれたのは有難いけどもうホームページの書き込みとかやることが山ほどあったのにつまらないことにえらく時間を割いてしまった
とにかく音楽をジャンルとでしか捉えることができない人にはペンギンハウスは無理だ だって、一人一組ずつがジャンルといえばそれぞれ「自分」というジャンルを持って活動しているのだから

さて、気分を変えて今日のライブの話にいこう 1番目の演奏者は若い2人、ギターとベースのユニットThe Black Circus 彼らはすべてオリジナルのインストナンバーを演奏する スピード感がありキレアジのいいシャキシャキとした音は聴いてると「夏だな~」と思わせてくれた そこで今日のオープン時のBGMはビーチボーイズにした そのさらさらとしたよくコンディショナーが効いた髪のような曲は今日みたいにじめっとして暑い日にはいいなあ・・・もうすぐ本当の夏が来るなあ・・・などと思いながら彼らの演奏を聴いていた 6弦ベースのちょっとじゃりっとした音が心地よい 彼らは演奏力がかなりある あと課題はMCだなあ(笑)演奏終わるときはちゃんと言おうね! これからしばらくはストリート演奏活動に重点を置くそうだから、世間で一杯揉まれて戻っておいでね

2番目はSHOTGUN BLADE あのトレードマークのブルーのギターはもう少しでリペアーが終わるそうで、今回はまだレッド しかしシャツはブルーだったので今日は2トーンのショットガンだ さっきの電話の人は彼の演奏を観たらどんな感想を持つのだろう・・・などと考えながら聴いていたが、これだけ「ロック」な男も居ないんじゃないかな 彼のステージングはとにかく一歩も後ろへ退かない どんな状況をも突破する魂・・・それがロックなんじゃないかな なにしろ「俺はこの地球に穴を空ける~~!」んだから(笑) 今日は珍しく半ズボンのSHOTGUN BLADE

3番目はウシトラ 今日の彼らにはちょっといつもと違う雰囲気があった 近くまで行ってカタヒラ(vo/g)を見た僕は驚いた なんと右手の手首から指の途中ぐらいまで白い包帯が巻かれている 「どうしたの」と聞くとちょっと言い辛そうに「暴漢に襲われました」という それは大変だと思ったらさらに衝撃の言葉が・・・「その暴漢はジイくんなんです」 え~え!どういうことだと話を聞くとどうやら二人で飲んで話していたうちに喧嘩になりそれが殴り合いの血みどろで警官が割って入ったほどだったらしい そのときの打ち身で手が痛いそうで、なんとかギターだけは弾けるらしいが彼らは普段は本当に兄弟のように仲がいいだけにびっくりしたなあ それでも今日のライブもいつものウシトラ 気合と殺気の溢れたいい演奏だった 本当にお疲れ様 喧嘩はいいけど怪我は避けようね

そして、最後に登場したのがハラ☆タカシ(g)と奥瀬健介(ds)のインストDUOのEMISHAI この奥瀬君に僕はとんでもない失礼なことをしてしまった と言うのは冒頭の僕を怒らせた電話を受けているまさに真っ最中に彼が店に入って来たのだが、後ろを向いて相手とやりとりしていた僕ははっと振り向いて彼の姿を見た瞬間お客さんだと勘違いして「すみません、まだオープンしてないんですけど!」とかなり語気荒く僕にしては有り得ないくらいつっけんどんに声をかけてしまったのだ すると、彼はなんだかすごく困ったような顔で「あの~、僕出演者なんですけど・・・EMISHIの」 それでやっと僕もはっと気がついてそのあとは平謝り・・・いやあ、本当にあの時は完全にキレてたもんでとんだとばっちりを浴びせてしまい 重ね重ねすみませんでした!
さて、本題に戻って今日のEMISHIの演奏もやっぱりすごかった ハラ☆タカシというギタリストは本当にギターの楽器としての限界をどこまで追求すれば気が済むのだろう・・・といいたくなるくらい演奏中ありとあらゆることを平然とやってしまう そこに本当に感性のネットをこれでもかというくらい広げた奥瀬健介のドラムはそのどんなボールでもキャッチしてしまう そういえば今日のMCでハラが「僕らユニットは僕が曲を書いて奥瀬くんが歌詞を書いてます」と冗談を言ってたけど、本当にそんな感じがする 二人とも東北出身なので目指すのはNHKの朝ドラ「あまちゃん」に起用されることだそうだ(笑)本当になったら面白いねえ

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする