先日、休みに気晴らしにと思い友人と寄席に行ってきた あの大震災の直後に行って以来だから僕はけっこう久しぶりだった なかなかいい芸人さんたちが揃っていたが、その中でもひときわ目立っていた若手の落語家がいた その芸風はとにかく上手で派手で無茶苦茶面白かった 友人は「あれは”平成の三平”になるかもね」と言ってたが僕もそう思う 調べてみたら名前は春風亭昇々と言いあの売れっ子「昇太」の弟子の、まだ20代の「二つ目」だそうだ きっと古典落語が好きな「お堅い」連中からは「ありゃなんだ」とお小言を言われそうな芸だが、いかにも今の若者らしい新しさと勢いがある 落語の世界にもどうやら新しい波が起き始めているようだ
さて、音楽の世界はどうだろう 新しい波は起きているか・・・今夜のライブハウス高円寺ペンギンハウスではどんな演奏が繰り広げられていたんだろう・・・もったいぶるのはやめようね
今日最初の出演者は若いユニット ド真ん中ズンというg/vo ,ds /choの2ピースのユニットだ g/voは最近ここにもよく登場するようになったシンガーソングライター「ここにいるよ杉浦」だ その普段の彼のソロのときのパワーが溢れ出すようなパフォーマンスがさらにドラムが加わってきっとすごいものになるんだろうな・・・そう期待しながら待っていた リハにやってきた彼らを見てちょっと驚いた 一緒に来たのはとてもエレガントでキュートな雰囲気のお嬢さん え、杉浦くん彼女連れてきたの? そう思ったらこの女性が相方のドラムだった そして外見とは大違い ドラムもボーカルもものすごいパワープレイヤーだった(おみそれしました!)彼女のドラムが加わることと今日はギターもエレキだったこともあって杉浦のいつものパワフルな曲はさらにブーストされてすごい迫力! はっきり言ってこれはパンクだね このユニットいいわあ
そして2番目の演奏者はペンギンハウスには2度目の登場のソロギタリスト 伊藤大樹だ 今回もはるばる静岡からやってきてくれた 彼の演奏はギターに色々エフェクターを使いかなりレンジの広い、そして時には「ノイズ」一歩手前くらいまでの音使いそして殺気に満ちたような瞬間的爆音など、なかなか「油断のならない」・・・は冗談ですが ギタリストだ ただ、今回はあまり「空間系」の音には頼らずにボリュームコントロールや奏法などでメリハリをくっきりつけた演奏に所々Jazzっぽいフレーズを入れてきたりとドラマ性があって面白かった ペンギンハウスにいい緊張感が漂う そしてこのあと一癖も二癖もあるインストユニットがそれも2組控えていた
そして、3組目は2人組 g ,dsのインストユニット 佐々木勇貴×菊川恵里佳 なんとここでも女性がドラムという編成なのだ 演奏開始前にギターの佐々木が短いMCを 「今日は面白い演奏をお見せします」 そういって始まった演奏 最初のほうは割りとゆったりした感じでギターとドラムがおしゃべりしているようなアンビエントな演奏だった お互いほぼ真正面で向き合いながらそれぞれの呼吸を確かめながらのプレイというのかな そのうち佐々木が急にギターを弾くのやめ菊川のドラムだけになる そのリズムに合せて彼が妙な踊りを始める するとドラムのリズムがそこから変わりちょっとアジア的な感じに・・・そして次第に今度はアフリカンな感じに・・・やがてちょっと烈しい16ビートへ そして曲はなんだか複雑な構成に、というかインプロになり最後はお互いの呼吸をうかがいながらのエンディング 彼らはけっこう昔ペンギンハウスに出ていたそうだがまた何か新しいものを見つけて戻ってきてくれたようだ
そして最後もやはりg ,ds で二人組みのインストユニットTinca Tinca 今日はこの編成が3組だ 以前「生まれつき髭の濃い人たちへ」と名乗っていたといえば覚えている人もいるだろうか とにかくあの当時から彼らのサウンドのコンビネーションとグルーブ感はものすごい ギターも2つのアンプを使い(おまけに片方はベーアンだ)かなりの爆音なんだがとにかくそのリズムの切れの良さにはリズムにはかなり自信を持ってる僕もとてもかなわない ギターがギターであると同時にパーカッションでもあるみたいだ そのドラム&ギターの一体化したリズムで5拍子や7拍子や無茶苦茶シンコペのかかった曲をいとも簡単そうにやってのける 本当これはなんていう音楽なんだろう・・・勿論ニューウェーブであることは間違いない! いやあ、今日の出演者は全員新鮮だったなあ
高円寺ライブハウス ペンギンハウス