月に想いを 21日

金環日食、誰か見た方います?東京は曇りだったみたいだけど見れたのかなあ さて、日食というとどうしても太陽にばかり関心が行くけどそれを演出するのはまぎれもなく月なわけで、今日の月は「新月」といって完全に太陽の影になって地上からは見えない あるのに見えない これを昔の縄文人たちは「月が死んだ」と考えてそして翌日(もしかしたら今夜)その影からほんの少し抜け出したまるで糸のような細い月を「蘇り」と考え その生き返った月を空に押し上げるのは巨大なガマガエルだと思っていたらしい カエルといえば池や沼、泥沼・・・そうそう、今日の出演者一番手は時々「泥沼さん」と間違えて呼ばれる泥窪だ・・・持って来方が強引すぎたかな 彼はもともとは「マデイー小久保」と名乗っていた それをわがペンマス亜郎が「何がマデイーだ、お前は泥窪だ」と命名したのだそうだ そういえばペンギンの出演者にはほかにも亜郎氏が名づけた出演者が何組もいる
さて、前置きがすっかり長くなってしまった ライブレポートに行くね
今日の泥窪はソロ演奏 彼のブルーボイスは実にいい声
声量もたっぷりある その声で歌うオリジナル曲はそういえばどれも月明かりの下で書かれたかのような暗い光を放っている 隠微な・・・といってもいいかな じっくり歌詞を今夜は聞いてみた  「僕の部屋に棲むピラニアは 音もたてず近づいて 爪の先をかじってゆく おどけた姿で・・・」とか「夜の匂いにさらわれて アメフラシに誘われて・・・」う~ん、いい詩だね

2番目はある意味で本当にペンギンハウスらしい出演者
SHOTGUN BLADEだ バンドらしい名前だがソロシンガー 独りで月影の色のようなブルーグレイのセミアコをかき鳴らし常に戦場にいるような姿勢で歌う 怒られると思うが彼のボーカルはけっして上手くない、もっとはっきり言えば下手だ(ごめんね) 最初彼の演奏を聴くときっと誰でも「なんじゃこれは!」と思うだろう ところが何回か聴いてると不思議とそれがよくなって
くるのだ まるで刀を持つように抱えるギターはもう全曲ピックでビートをかき鳴らす(これがいいビートなんだよね)名前のとおり彼はいつも何かと戦っている 戦場に甘さはいっさい必要ない そう彼は訴えているようだ そして、一曲終わるごとに「どうもありがとうございます」と深々と客先に向かって礼をする・・・彼を見ているとなんだか「武芸者」のようなのだよね さらに、最近ほんの少しずつなんだが確実に歌が上手くなってきている これからが本当に楽しみなシンガーだ

3番目からはバンドになる 最初は今までのKAILA BAND
という名前を今回から改名したBASTETだ ここのボーカルは本当にいい声だ 本当にロックを歌うために生まれてきたんじゃないかと思うくらい少しかすれた甘さもある声は聴いてて気持ちがいい それをまたストレートなロックビートがどんどん押し出してゆく まるで満月の夜にオープンカーで海岸沿いを走ってるような気持ちよさだった あと、スローなバラードになると
ちょっとブルージーな色も出てきていいなあ

そして今夜もいよいよ最後のバンドNOR HOUSEの登場だ リーダーのギタリストはお見受けするとけっこうな年齢・・・僕と同じか下手すりゃ上かも なんかゆるーいブルースでもやってくれそうだなあ、と思ってたら大違い いきなり爆音でブルースロックが飛び出す こりゃあとんでもない「やんちゃオヤジ」だ 白髪のロン毛がだんだんジョニー・ウインターに見えてきたよ 昨年末飲みすぎて肩の骨を骨折したそうで座っての演奏だったが音はどんどんヒートアップ そして聞き手ものせられて踊りだす まるでここがアメリカ南部のジュークジョイントみたいだ ジュークジョイントといえばやはり「ムーンシャイナー」だよね これは昔の禁酒法時代にこっそり密造されたお酒のこと というわけで最後は月でしめくくるかと思ったら やっぱり酒でした・・・う~ん、コーンウイスキーかな

付録、ライブ終了後出演者同士が車座に座って飲み会が盛り上がってます ペンギンハウスではよくある風景だ
今夜の話題の中心はSHOTGUN BLADEでした

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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