吼えるAG 呟くEG 23日

ギターって楽器、どれくらい昔からあるんだろう 調べてみた その一番原型になったのは弦を張った弓に椰子の実のようなものをくっつけて共鳴させたようなものがBC3700ごろの壁画に記されているという いわゆる今ある形のギター(クラシック)は19世紀に入って、かの有名なC、Fマーチンのギターがこの世に生まれたのが1833年(ヘッドロゴに書いてあるよ)そしてエレクトリックギターが世に出たのが1930年代はじめ・・・そして今21世紀のギターは実にさまざまな使い方をされるようになった そういうことを思い起こすような今夜のペンギンライブだった

まず最初に登場したのはINISIE ソロでEgを弾き歌うがそのギターはデイレイやループを多用した演奏をする 柔らかなアルペジオの音が突然ひずみきった爆音に変わったりまた静けさに戻ったり それに目いっぱいリバーブを利かしたボーカルが加わり、独特のINISIEワールドが誕生する今日のギターフリークたちのトップをかざるにはぴったりだったね

2番手は高橋誼 この人もペンギンでは何度も出演しているが僕は聴くのは今回初めてだがギターシンセから出てくる音は1)琵琶2)コントラバス3)オルガン・・・パーカッション風に音色を変えながらポエムリーデイングをそこに乗せてゆくというスタイル こうなるとギターはギターではなく信号の発信機になってるようだがすべての音はそのフィンガリングとピッキングから生まれるんだよね ギターも21世紀にはこんなになるとはC・F・MARTINも思わなかったろうねえ

そして3番目に登場するのがペンギンではもう常連の東京セッションの二人 初めて彼らの演奏を見たとき僕は「何じゃ、これは!」と衝撃を受けた サンバーストのJ-45とハミングバードを抱え風貌から渋いアメリカンフォークロックでもやるのだろうという予測は見事にはずれた ステージに上がるとまずリードvoホッシーの顔つきが豹変する・・・なんともいえず怪しい顔なんだ そして相方マツイの刻むタイトなリズムに乗ってハミングバードが無茶苦茶な激しいフレーズを叩き出す それはまるでヘビメタのようなフレイジング・・・いや、もっとアバンギャルドな音だ ほとんど「ノイズ系」と言ってもいい爆音にのせて意味不明の歌を絶叫する・・・40分間をまったくノンストップで完全なフリー演奏をし、最後はいつもある「アトラクション」で終了する彼らの演奏はきっとダメな人はとことん受け入れないだろう・・・でも面白いんだよなあ!僕はもうクセになってます ステージから戻ると・・・また穏やかで内気そうなホッシーの顔があった
さて、今日最後の出演者は今僕がペンギンで一番注目しているギタリストひひひのひ(ソロ)だ 最初彼の演奏を見たとき、東京セッションとはまた違う衝撃を受けた 彼のギタースタイルは・・・誰にも似ていない あんなギターを僕は聴いたことがない 真似したくてもできない Egをあんなに有機物のように弾きこなすその発想はどこから来るのだろう これは絶対に(とくにギターを弾く人なら)一度は見てほしい そしてそのギターに乗せて繰り出される歌もまた素晴らしいのだ 現代詩のような歌詞が彼の独特のちょっと湿り気を帯びたような声で歌われると何か幻想世界に迷い込んだような気分になる この40分間聴く者はいつも別世界に拉致されてしまう・・・「ギターを持った人さらい」・・・そう言いたい
それにしても、同じギターを持ってもこれだけ表現方法の違うミュージシャンがいる・・・ペンギンにはまだまだすごいプレイヤーが一杯いるので、本当に楽しみなのだよね さあ、明日は僕のバンドのリハだ 僕も練習しなくっちゃ

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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