500回の前に

もうすぐ・・・明日12月29日のライブで僕のライブレポートはちょうど連載500回目を迎える

まあ、やってればいつかは当然辿り着くわけだからどうってことないのだけど・・・でも500回ってすごくねえ?・・・ちょっとはすごいよね(笑) そりゃ毎日の作業なんだけどやってて正直「今日は書けないかなあ・・・」なんて”弱気”になることもある 僕も生き物なのでその日の調子によっては「筆」いや「キーボード」がなかなか進まないことも・・・

ところで、以前あるお客さんからこんなことを言われたことがある

「ジミーさんってどんな出演者もホメて書くね」

それには僕が誰でもかれでもただホメている節操のないヤツだ・・・というような批判がこめられているように感じた・・・が

「ええ僕はみんなホメますよ」 そうお答えした

ほとんどのミュージシャンは自分の演奏が終わって今日の演奏の出来や自分のレベルがどの程度のものだったか・・・あれはマズかったな・・・などということは自分でわかっているものだ わからないプレイヤーが居たらその人の音楽活動の将来はあまりない・・・と僕は思っているからだ

たとえばそのプレイヤーがすごく下手だったりドツボな演奏をしてしまったとしても、その泥沼の中に何か拾えるものがあるんだったら僕はそちらを大事にしたい

そういえば今でもよく思い出すことがある 2012年6月1日の僕のライブレポートだ 以下抜粋

登場したのは今日がペンギン初出演の田中辰明 実は最初僕は今回は彼の演奏についてのコメントはやめようかと思った 演奏が始まるとギターの音はおかしい、エフェクターの使い方もチグハグ、肝心の歌もまるで安定してなくて・・・これは困ったなあと思ってた すると、4,5曲演奏したあと彼が実に困った顔で喋りはじめた「あの~今日の出演者の方で誰かギターを貸してくれる方居ませんか 実は弦を2本も切っちゃいまして・・・」 なんだ、そういうことだったのか それじゃまともな演奏は誰だって無理だ ここがペンギン出演者のいいところで、すぐにあさのおよぐが自分のギターを差し出した その間彼が話し始めた 高校生のころ家出同然で茨城から東京に出てきたこと そのあと色々な苦労をしながら音楽をやろうと志したこと 今日の店に駆けつけた彼のお客はそういう中で知り合った友人たちらしい そして今日の出演で無茶苦茶緊張してアガってたことも白状した なんだか会場が一変に穏やかな優しい雰囲気になった その後歌い出した彼はだいぶ落ち着きも取り戻して演奏もだいぶよくなった そうだよなあ・・・僕だって今から40年ほど前初めて人前で演奏し始めたときは今考えても恥ずかしくなるくらい悲惨だったものなあ・・・そうそうDOCを毎日聴いていたあの頃だよ 誰にも始まりがあり 終りもある

田中辰明・・・今は田中彰己という名前でペンギンハウスにレギュラーで演奏しているシンガー

このあとは今月10日の彼の演奏のリポートから

今年一年もずうっと自分のスタイルを模索し続けてきた彼だが、今日の演奏はちょっと「歴史的」だった なんだろう・・・今日のリハの時に彼が話していたこと・・・「ジミーさん、僕はやっと壁みたいなものを乗り越えて新しい自分を見つけたような感じなんです」・・・みたいな

それもあって今日の彼の演奏は最初から”一味”違っていた

今までやっていた自分のオリジナルをかなりメロディーを崩して歌ったり、うん 「波乱」の予感・・・

そして初めて披露した新曲2つ・・・「赤いワインを抱えてピーコートを着た男」・・・これ、すごかったなあ・・・ディランやシド・バレットに触発されたというトーキングスタイル・・・それがまるで彼の絵画のように自由でクリエイティブなものに変化していた

・・・どう? もしあのとき僕が「こいつダメだね」 と切り捨てていいたらこの今の彼の姿はなかったかも知れないと思うと・・・ね

だから僕はこれからも一生懸命ホメ・・・いや、自分の気持ちでリポートを書いていきます

さあ、今年のペンギンハウスもあと2日 出演者もお客の皆さんもヨロシクねえ!

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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