何を望む?   5日

昨日、日記を書き終えてからそういえば久しぶりに見たくなってYOU-TUBEの松浦健太の「あきらめてからが東京」を見にいった なんか彼は出てきたばかりの頃のボブ・デイランや杉野講堂(だったかな)で初めて友部正人を見たときのようなインパクトがあるよなあ・・・と思いつつ見終わったあとその関連動画になぜか岡林信康の「私たちの望むものは」という曲の映像があったのでつい観てしまった この動画は1970年の伝説の「中津川フォークジャンボリー」のときのものでバックで演奏してるのは当時はまだほとんど無名だった「はっぴいえんど」でその当時はかなり話題になったものだ しかし、今見るとやはり40年以上の歳月ってすごいよな~と思えるくらい歌も演奏も古い・・・当たり前か なによりタイトルでもあり岡林が歌の中で何度もくりかえす「わたしたちの望む~ものは~」って今じゃ誰もこんな歌詞恥ずかしくて歌えないよなあ・・・当の岡林もやはり恥ずかしかったようでその後「おいらいち抜けた」と歌って本当に音楽の世界からいなくなってしまったのだが・・・さて、その「わたしたち」とは誰だったんだろう、と考えるとつまり当時そのシーンを支えていたいわゆる「団塊の世代」といわれる人々でその「わたしたち」ががんばって作ってきた今の日本があるわけでそれが40年後の若者にはどうにも居心地の悪い社会になってしまったような・・・この2つの映像を見比べると色々なことを考えてしまうね
さて、今日の出演者たちは何を望んで音楽活動をしているのだろう そんなことは余計なお世話だろう それにしても年齢層の幅と世代間の格差をちょっとは考えてしまう 最初に登場したのはギター・キーボード・ボーカルの月になって・・・といってもユニットではなくソロミュージシャンだ まさに今の音楽状況の申し子みたいな彼はエフェクターやループを使いまくる いくつも重なったキーボードやリズムマシンやギターの音に隠れて歌はうんと遠くの別の世界から聞こえてくるようだ時にはまるで悪い夢でも見ているような・・・ でもそこに込められた悲痛な叫びのようなものが時々すぐ近くで弾けたりする まさに今を生きているのだね
そして、世代はもうずいぶん上になってしまうが負けずに今
の音を追い続ける求道師ひひひのひが次に登場する 彼の世界は前回も書いたようになんだか大正~昭和の時代にタイムスリップしたような匂いがあるのだがそれを表現するためのテクノロジーはまさに今のものだ そして、いつも何か新しいものに挑み続ける・・・彼はどこに辿り着こうとしているのだろう まだまだ何かありそうだぞ ひひひのひ(と笑う)
3番目は今日の出演者の中では平均年齢が一番高そうなエーケーミー58 58というのは誰かの年齢? これはもう本当にオーソドックスな4ビートJAZZを聴かせてくれるバンドだった ゲストにアコーデイオンを弾く女性や女性ボーカリストを加え、毎日が戦場のようなペンギンハウスにひと時のやすらぎを与えてくれた
最後はやはり戦士が登場だ 野武士のような風貌の2人組ウシトラは今日も戦場を駆け巡る ボーカルのカタヒラの声はいつも瀕死の深手を負っているように悲痛だ 今にも意識が途切れてしまいそうな中から絞り出すような声はそれだけで聴くものに鋭く入ってくる 叩きつけるようなギターとコンガ・・・彼らはどこに行こうとしてるのだろうか 求めるのはやはり安らぎの地平線なのだろうか・・・ライブが終わった
片づけをしながら僕はふと横を見た 今日の演奏者 月になって ひひひのひ ウシトラの3人が談笑・・・いや、真剣な顔で話し合っている 聞き耳を立ててみると やはりライブや演奏についての話だった 世代を超えて(親子ほどの年代差)熱くなって・・・話はいつまでも終わりそうになかった

・・・そして高円寺ライブハウスの夜は・・・

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