暗がりにリンゴ 16日

いやあ、梅雨だねえ お天気悪いねえ 寒いねえ 昨夜つい薄着で寝たら朝方寒くて目が覚めちゃった 風邪ひくよなあ 本当に こんなお天気だとペンギンのライブも湿ってしまっていまいち盛り上がらないかなあ・・・などと心配しつつ二度寝をした今日 さて、気持ちを入れ替えて仕事仕事
今日のペンギンライブは企画もののライブイベントで「301号室」と「HAND」という2バンドの共同企画だった 出演バンドは4組 ちなみに今日の出演バンドはすべてインスト 僕が担当した中で始めてボーカルマイクを一切使わない(MC用も)めずらしいライブだった
そして最初に登場したのはtrumという3人組 ギター、ベース、ドラムという編成  さて、そのtrumだが3人の演奏の呼吸がものすごく緻密に一体化した本当に精密機械のような演奏だった たとえば1/16音符の1拍ずつをギターとベースが交互に刻むというような奏法でもまったくのブレがない ドラムの異様なくらいタイトなリズム刻みは本当に拍のど真ん中をいつも捉える なんでこんなにタイトなんだろう・・・と見ているとあることに気が付く メンバー全員の耳に何か細いコードが行っている それはモニター用のイヤホンだった なるほど、それであの1/100秒単位くらいでジャストに合わせる神業ができたわけだ ライブなのに彼らのリズムに対する追及はすごい かと思うとそれだけじゃなくてギターのデイレイを使ったわざとアンシンメトリーなリズムや「間」だけで合わせてるんじゃないかと思えるくらいのオフビートのインプロっぽい曲とか・・・いやあなかなかすごいバンドだったよ
そして次に登場したのは2人組の繰彩kri-sigh というユニット この二人はベースとドラムという編成 6弦ベースはバイオリン奏法やタッピングなどを使い部分部分ではギターのような、ストリングのような多彩な(それで繰彩か?)音色をつくり、ドラムとのからみの間にパソコンが作り出すサンプリングサウンドが質感を膨らませてゆく 曲調はわりと聴きやすいナンバーだったが 二人でこれだけの音を作り出せるんだからいいよなあ ちなみにドラム君はなぜか本番は仮面を着けて演奏・・・素顔は本当にイケメンだったよ
そして3番目はこの企画の中心になった301号室というユニット 彼らもまたギター、ドラムの二人だがパソコンからベースアンプにサンプリングしたベース音を送り、ほかのサウンドもパソコンからラインで出しながらの演奏だった 本当に今じゃ二人でも下手すれば一人でもバンドサウンドが作れちゃうんだねえ 彼らの演奏はわりとファンク~ジャズあたりのスタイルだったがノリのいい演奏は本当に2人とは思えなかったなあ この日の全バンドにも言えるけど音作りに対する「工夫」がすばらしい

そしてこの日のラストはこれも今日の企画者のHANDという
3人組 彼らの演奏はこれはもうかなり本格的なインプロ系だった ドラムとベースが誰も知らない音の模様を織り上げる・・・そこにけっこうノイジーなギターが本当に自由に折り目を作ってゆく まったくの偶然のようにそこに色々なノイズが絡まってくる・・・あとで広げてみるとそれは「だまし絵」のように聴くものが始めて気が付くような答えが待っている・・・そんな感じかなあ 
それにしてもギターの女性はじつに自由だ 彼女がにこにこ笑いながら操るMAC・・・次はどんな魔法が出てくるのかな
・・・皆が見つめる先・・・薄暗がりにあの「りんご」が浮かんでいた                                                                         ・・・こうして高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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