へっぽこ音楽祭   17日

・・・という企画イベントが大体2ヶ月おきにペンギンで開かれている 出演者の顔ぶれはどちらかというとアコーステイックの歌ものが中心のライブだ 僕もこの企画イベントを担当させてもらうのはもう2回目なのでなんとなくお馴染みさん・・・という気がしてしまうのだがここに出てくる出演者は皆それぞれ個性があって面白いのだ 仲間意識はありながらそれぞれの自分の持ってる表現世界を大事に決して馴れ合いにならない緊張感を持ったステージングが特徴だ
まず今日最初に登場したのは死物狂という印象的なステージネームで歌っているシンガー アコギを弾いて歌う彼の歌はどれもなんだか切なくて物悲しい ようく歌詞を聞いてると・・・ああ本当に心優しい人間なんだなと納得させられる それにしても心優しい男は今の時代本当に生き辛いよねえ・・・最後に彼がいつも歌う「死に物狂い」という歌はなんだかとても悲痛な感じがしてしまう そういえば曲作りがちょっとニール・ヤングに似ている 好きなのかなあ 今度聞いてみよう
2番目に登場するのは男性=ギター、女性=ボーカルの二人
組みのナローシープ このコンビは本当に息がいつもぴったりだ 決して饒舌ではないがツボのいいところをしっかり抑えてくるギターをバックに歌う彼女の歌は本当にソウルフルだ 声を目いっぱい振り絞るかと思えばひっそり囁くようなところもあって表現力の奥行きがすごくある ブルージーな曲ではこの二人は本当に最高にいい味を出す ちょっとTUCK&PATTIを想わせる・・・
3番目に登場したのはキラーマイルドという3人組 ギター/vo, ベース/cho、パーカッション/choという編成 このユニットはわりと現代風の曲調のレパートリーを持っていてうっかりすると「Jポップなのかな」と思ってしまいそうになるが、その歌詞にはなんだかたくさんの怒りが込められているようだ ボーカルの彼もきっと心優しい人なんだろうなあ 僕はこのユニットのパーカッションの女性がけっこう気に入ってる(あ、別に変な下心はないよ)彼女の叩くカホーンがいつも気持ちいいビートを打ち出すからだ それもあって彼女、前回はあちこちのユニットに頼まれてカホーンを叩いてた
そして4番目も女性だが月ふたつという名前で活動している・・・そういえばペンギンには「月になって」というステージネームのミュージシャンが居るから混同しないように・・・シンガーソングライターが登場 透明感のある声は静かでいて実はとてもパワフルだ 彼女の曲はとにかくきちんと完成したスタイルを持っている それはまるで僕が八ヶ岳で見る満月のお月さんのようにまん丸できりっとしている 月がひとつでもみんなうっとり出来るのにそれが二つある・・・考えてごらん なんて素敵な夜だろう
さて、いつもならここまでだが今夜はもう1組 最後に登場するのがこのイベントの企画者で中心人物である熊谷淳&ムーンライトドウー 今回は10数年前に組んでいた昔のユニット熊脂というメンバーでの演奏だった 彼らの演奏はとにかく野太くてダイナミックだ 元々太くて豊かな熊谷ボーカルが自身が放出する非常にマニッシュな歪んだギターに乗っかりそこにもう1本のギターがインパクトの強いフレーズで絡んでくるとその下から重量感のあるドラムがぐっと土台を持ち上げるといったかなり力技で押してくる 正直、その晩に集まったアコーステイック系の好きな人たちにはちょっとヘビーだったかも知れないね でも彼らの演奏する曲の激しさも結局は心優しさからくる何かへの憤りなんだろうなと思う すべての演奏が終わった 終了後熊谷氏から「また次回もよろしく」とのあいさつをいただいた うっかりしてたが次回は8月5日(日)に決まっていたのだ また彼らに会える 僕はけっこう楽しみにしている

・・・そして高円寺ライブハウスの夜は・・・

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