めりけんさんよ   24日

「めりけんさんよ 掘った芋 いじんな・・・」というのはペンギン出演者「ひひひのひ」の歌の一節だが めりけん=アメリカは太平洋戦争に勝利して実質的に日本を植民地にしたわけで、彼らの周到な占領作戦はまず日本人を徹底的にアメリカナイズさせることだったようだ アメリカの生活、アメリカの食べ物、衣服そして文化まで・・・次々に持ち込んでそれを「いいなあ~」と思わせる演出まで念を入れて・・・僕の子供のころはテレビから流れてくるアメリカホームドラマの中の暮らし・・・それは冷蔵庫やシステムキッチンにオーブンなど本当によだれが出るくらい憧れる景色だった 文化・・・特に音楽はもう僕ら根っこまで染まりきって・・・JAZZやCOUNTRYにラテンそしてロカビリーと呼ばれた当時の最先端の流行音楽に皆がしびれていたわけだよ ところがここでアメリカは大きな誤算をしてしまった ロカビリーに浮かれていればよかった日本の若者たちはやがてそれでは飽き足りないようになり、自分たちの表現をそのイデイオムとスタイルだけ残しながら追い求めるようになってしまった もはやメリケンさんには手のつけられない「日本的」なものまでがこの「ロック」という文化を取り込んで勝手に歩き出してしまったのだ あ~あ、長い前置きを書いてしまったが今日のペンギンのライブを観ていてそんなことを考えないわけにはいかなかったのだよね
今日のライブは企画イベントでOTOTOIグループというバンドのCD発売を記念しての催しだった 3組のバンドが出演した
最初に演奏したDIEGOは3人組 vo/g,cho/b,dsという
編成でbが女性・・・そうそうこの日の出演バンドはすべて男女混成、最近は多いよね 彼らの演奏がまたなんともいえず「ゆる~い」感じで特にvoの男性の歌い方がまるで芯というものをわざと外してるんじゃないかというくらいに緩い ギターの音もなんともいえずソリッドの真逆で全体がぼんやりと靄の中でかすんで見える・・・
次に登場した4人編成のヤーチャイカは名前からもなんと
なく連想したのだがなんとなくロシアか東欧の音楽の影響があるんじゃないかというようなメロデイを多用していた このグループもやはり輪郭をわざとぼやかしたようなギターにまたキーボードが不思議なフレイジングで絡んできて独特のサウンドだ このバンドも男性voが独特な歌い方で聞いてるうちに僕はふとあの「イカ天」で一躍注目された「たま」をちょっと思い出していた
そして最後に登場した5人編成のOTOTOIグループ
その流れのやはり真髄のような演奏を聴かせてくれた ギター3本にb,ds,keyという編成の音は曲によって自由にそれぞれの役割を変化させながらそれぞれの演奏の世界を創り上げてゆく そしてそれらの要となるのがメインvoのミサイルという女性 彼女がまた本当に年齢不詳でルックスや歌う声を聴いてると、もしかすると小学生なんじゃないかと思えてしまったりするのだが完全に彼女の世界というものがあってそこに曲や演奏や楽器がついてくるといった感じなのだ
とにかく、今日出演した3バンドともあの終戦のときアメリカが目論んだかもしれない「ロックで日本人を全部洗脳してしまおう」というバカな計略はもののみごとに失敗したということを目の当たりにさせてくれたような気がするなあ・・・どう思う? メリケンさんよ

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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