さあ、七月もいよいよ今日で最後 明日からは八月だ そして七月最後の今日のペンギンハウスライブ・・・いやあ、なかなか濃い顔ぶれになった
最初の演奏者は g/vo , vo のDUO ららばいてりい&さっちんだ
今日の彼らは今までとちょっと違うセッティング それはてりいのギターがいつものGREATCHのフルアコからGUILDのフラットトップに・・・つまりアコースティック編成となったのだ
歯切れのいいギターストロークにのって今日のさっちんのボーカルもまた留まるところを知らぬ自由に流れる雲のようにじつに軽やかだ 彼女のまったく計算のないボーカルフレージングはいつもスリリングなのにちゃんとツボにはまるところが凄いね! そういう彼女をまたうまくコントロールするてりいも大したものだ いつもはカバーというかむこうの曲に自分達の自由な解釈で歌詞をつけて歌うというやりかたをとる彼らだが、今日は純粋なオリジナル「無知の涙」も演奏 これ、なかなかよかった
2番目の出演者もやはり男女のDUOだ g/vo , vo/sax の スギナミガールフレンドフォーエバー だ それぞれが京都出身のイノッチとワカバヤシ 最近ユニットを組んだ二人はペンギンハウスには2度目の登場 若い感性をもった彼ららしいソングライティングはタイトルを見ただけでも「フォークシンガーの人たち」とか「ストレンジポップガール」など楽しいのだ
まだちょっと荒削りなところも目立つが、その勢いでどんどん走っていってほしいものだ
3番目の出演者 ソロのギター弾き語りの 寺田町 が登場する
ここでPAはまずモニターをすべて切る そしてギターもボーカルも一切リバーブなども切る
この「何も使わない」状況で彼の歌世界はすべて何も飾りのないまま聴き手に音も声も言葉もそのまま届く 何年も何年もいろいろな場所で使い込まれたその声とギターは艶と渋みがハンパではない 心に直接届くその歌は入ってくると同時に聴き手の身になってしまうようだ
思えば今年の一月からずうっと毎月ここペンギンハウスに歌いに来てくれた寺田町・・・ぜひ来月も聴きたいな・・・そう思ってたら今日の最後にアンコールに応えて一曲 「この曲をジミーさんに贈ります」と言ってやってくれた「名もない街角で名もない人たちと出会った」・・・だったかな
いやあ・・・心に染みたなあ ちなみに来月は22日(金)に出演予定 皆さんゼヒ!
そして最後の演奏者になる ここでPAはすべてをシャットダウン まったくの生音だけの演奏になる 演奏者はピアニストの 石田幹雄 だ
ここでセッティング中に彼がちょっと言いにくそうに僕に相談してきた 「あの、できればピアノの向きをちょっと変えてみたいのですが・・・」
えっ、・・・ちょっと驚いた 彼が言うにはちょっと角度を変えることで音の響きが変わってくるはずだということなのだ それはいいのだが、はたしてピアノが簡単に動いてくれるだろうか・・・そんな僕の心配をしかし彼はあっさりと動かすことで解消してくれた
え?そんな簡単に動くものだったのか~ 驚く僕を尻目にピアノの角度を客席に向かって10度ほど向けてそれから彼は演奏し始めた さて、角度を変えたピアノの音はどう?・・・うん、ちょっと音の周り方がいつもと少し違うような・・・でも、その違いを一番感じているのは彼自身なのだろう
そこからはもう100%石田だ たおやかで静けさに深く沈殿してゆく音から烈しく吹き上がる火山のような音の塊まで・・・一台のピアノがここまでレンジの広さというより世界の広がりを出せるようなものになるとは・・・いくら「ピアノフォルテ」というのが名前の元とはいえ・・・ここまでその可能性をすべて掘り出すような彼の演奏は聴き手をその深淵に引きずりこまずにはいかない
そうそう、そういえばその前に演奏した寺田町と石田幹雄は前に一緒に演奏してたこともある その寺田町が石田にささげた曲・・・あれもよかったなあ~ いやあ、今日は本当に濃かったなあ!
そして明日からは八月・・・来月もペンギンハウスライブは熱いよ~!
高円寺ライブハウス ペンギンハウス