僕の吉祥寺話 64

ここに一枚の写真がある 誰が撮ってくれたのか今となってはわからないのだが、ぐゎらん堂でライCCF20140513_00002ブをしているときには間違いない この当時の僕の演奏時の写真てまあ全くと言っていいくらい残ってないのだが・・・今みたいに気軽にデジカメや携帯で写すなんてことは想像外の時代だったから・・・たまたま誰かが撮って焼いてくれたものだ

モノクロなのでこの写真ではわからないが、上は真黄色のTシャツで胸にはナスのイラストが描いてある 真っ黒いサングラスをかけている そして下は・・・写ってないのだがスリムのカラージーンズ・・・色はワインレッド それもかなりどぎつい色だった(笑)

そんな格好でちょっとコシをくねらせながら「アイスキャンディー」とかを歌ってたのだ(笑)

もう完全に吉祥寺というかぐゎらん堂界隈では「アウェイ」な存在になった僕・・・でも気分はむしろ爽快だった

それまで、というかその後も歌を歌ってる周りの連中は相変わらずボロボロの薄汚れたジーンズによれよれのワークシャツ、髭も髪もぼさぼさ・・・というのが主流だったライトニン

でも、考えてみれば僕らのアイドルだったライトニン・ホプキンスだって実にお洒落でステージに上がる時はそれこそド派手な衣装でやってたものだ

薄汚い格好・・・それはあのベトナム戦争当時のアメリカで政府や体制に反抗するヒッピーなどのヒッピー若者たちの意識の象徴として好まれていたものだったはずで、いまやそういうものの目的意識さえぼやけてしまってその外見だけが生き残っている・・・というのはいかがなものか・・・と、僕は思ってたのだ

「吉祥寺の裏切り者」 そうあることに快感さえ覚えていた僕に春樹さんがまた新しい称号をプレゼントしてくれた 僕のライブのときネームの横に「武蔵野に咲く一輪のバラ」・・・と(笑)ばらぞく

いやあ、これは嬉しかったねえ 当時はもうすでにゲイ専門誌の先駆けとなった雑誌「薔薇族」も出版されてたので、あたかも僕が「そういう人」みたいに思われる怖れもあったが、僕は喜んでその称号をお受けすることにした ちなみに・・・僕、そっちのほうの趣味はぜんぜん無いからね 悪しからず やっぱりおねえちゃんのほうがいいのだ!(笑)

さて、そんなわけでぐゎらん堂においてはすっかり「色物」と化したジミー矢島だったが、そんな僕にある日、春樹さんが声をかけた

「ジミーね・・・」

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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