さて、今度はもう少し細かいところを探っていこうか
ちょっと考えてみよう ギターの音が出る瞬間を これはピックでも指でも同じことだ
まず弦に触れる前・・・これは音が出るわけないよね 次にピックや指が弦に触れる まだここでも触った音が出るだけだ
そして弦にある程度の圧力と打撃がかかりつつ、ついにピックが弦から離れる・・・その瞬間に力を受けていた弦が元に戻ろうとする 弦には「弾性」があるのでものすごいスピードで伸びたり縮んだりする これが振動だ 振 動はそのままブリッジを伝わってギターのトップを振動させる それは今度は「音」になってボディー全体で増幅され「鳴る」
ということだね 今まではピックが弦に当たる所だけを考えてたけどこの「離れる瞬間」というのを意識するとしないではかなりの違いがあるのに気がつくことが大事だ
ここで話が少し逸れるが、ギターとピアノを比べてみよう
比べるまでもなくピアノのほうが圧倒的に楽器としては表現力が優れてるよね
音の大きさ深さもだし、ギターではどう頑張っても同時に6つの音それも押さえる指の位置に制限された最高でも3オクターブ半程度の音しか出せないけどピアノなら同時に10こ、それもかなり自由に オクターブが出せるし、ペダルを使えばその何倍もの音が作れる
でもギターにはピアノには出来ない技がある チョーキングやビブラート、スライドやハーモニックスなどなど・・・そしてもうひとつ忘れてならないのが「ピッキングのニュアンスが変えられる」ということだ ピアノはハンマーで弦の同じ所を叩く 強弱の違いはあっても音色のニュアンスを変えるのはなかなか難しい
ギターだったらこれがかなり色々なニュアンスを自由に作り出せるんだ
ところが、見ていると意外とこのことに無頓着なギタリストが多い これは勿体ないと思うのだよね
同じギターでも弦のどこにピックを当てるか(ブリッジ寄りでは硬く、ネック寄りでは柔らかく)どれくらいの角度で当てるか、使うピックの固さや形、どれくらいの力をかけるか、それは腕全体か指先だけか・・・
それだけでもギターは驚くほど豊かな表現の幅を持つことができる
まあ、最後にきてこんなことを言うと怒られるけど、僕は元々フィンガーピッカーなのでピックについてあれこれ偉そうなことは言いたくない
ただ、最近ピック弾きをかなり真剣に練習していてその中で気がついたことを話してるので、これはぜひビギナークラスの人たちに聞いてもらえたらと思う
そしてペンギンハウスには本当に素晴らしいギタリストが沢山出演しているのでぜひ彼らのプレイを生で観て学んでほしい
高円寺ライブハウス ペンギンハウス