昨日もちょっと話したが、ビッグ・ビル・ブルンジーのギタースタイルの中でかなりスパイイシーなテイストを出しているその「ミシシッピ的突っかかるギター」というのだが、これは譜面にしてみるとわりと解り易い
4分音符の1拍をたとえば半分にすると「8分音符」
それをさらに半分に分けると「16分音符」
その中間・・ていうか黒人独得のタイム感覚から生まれた「3連符」
これをビルの先人のブラインド・ブレイクの場合は「8分」と「3連符」の組み合わせでフレーズが出来上がっているのだが、ビルの場合ここに「16分」も入ってくる
これが幸してその後ビッグビルが関っているシカゴのブルースシーンの中に影響を与え始めた「スイングビート」を取り込むのにわりと苦労しなかった・・・そういういきさつがあったようなのだ
1030年代に入ってソロスタイルから「バンドスタイル」を導入したときにこの「ミシシッピ生まれのカントリースルースマン」が意外と都会的なニュアンスを出すのに苦労しなかった様子がうかがえるのだ
さて、ではその時期の彼の代表的な作品を紹介しよう ギター1本だがスイング感を出してただのカントリーブルースではないスタイルを作ってた初期の名曲
ミシシッピ的な泥臭さをしっかり残しながら”シティー的”な味付けに料理し直したこの曲
いいよねえ~
やがて彼は当時のシカゴに住んでいた黒人コミュニティーの中で絶大な人気と地位を手に入れるようになる レコーディングングはもう日常化し彼やその周りのミュージシャンたちが生み出すサウンドはちょうどその何十年後かにデトロイトで生まれた「モータウンミュージック」のような存在になり、所属していたレコードレーベルの名前を取って「Blue Bird Beat」と呼ばれた
高円寺ライブハウス ペンギンハウス