本望だろうねえ    24日

昨日はあちこちで急な豪雨があったみたいで僕の居る中野区でも昨晩一時的にものすごい勢いで雨が降ってた 明けて今日は久しぶりのようないい天気 でも明日からはしばらくぐずつくようで・・・土曜日のライブで使うギターを早々今日持ってきた だって雨の中背負って歩くの本当にタイヘンなんだもの・・・最近の何と根性の無くなったことよ

さて、今日のペンギンハウスライブは割りとインプロ色の強い番だった

最初の演奏者は 三浦陽子クインテット
限りなく透明感の高いスピリチュアルな世界を余すところなく鍵盤に載せて伝えてくれる素晴らしい表現者、三浦陽子(p)が中心のユニット 今回のメンバーは古池寿浩(tb)SACHI-A(ds)立岩潤三(per)という顔ぶれ 今日は演奏テーマを決めずに完全に即興で1人ずつあるいは二人ずつ絡んだり全員の音の擦り合わせがあったり・・・静かなんだけどかなり緊張感に満ちたステージだった
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2番目は2人組インストユニット  TRUM 
g , ds の DUO でパソコンに入れた打ち込みのサウンドにギリギリで細かいところで合わせながらシンコペーションのの洪水のような演奏は聴いててスリリ ングだ ドラムもギターもとにかくリズムに徹する 彼らの演奏はクールでストイックだ その彼らが今日はステージングにある演出を考えていた それは1曲が終るごとにステージの照明を完全にブラックアウトさせるというものだ そのため僕にもセットリストが回ってきた それにはそれぞれの曲の演奏時間たとえば「4分10秒」とか書かれてあってそのタイミングで曲が終わった瞬間に照明を落とさなければならない なあ難しい作業ではないんだけど、妙に緊張したなあ~
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そしてストイックといえばこのユニットもそうだ g/vo ,b /dsの2人編成の Zeeblebuzz A Knot
ループさせたベースにドラムと一人二役で生み出すビートにギターがさらにビートを重ねてゆく

今日は新曲らしい曲も披露していたけど彼らの曲はすべて1コードのリフで出来ている ソリッドな硬質で引き締まったサウンドはロックでもジャズでもあり、それ以上に「ハードボイルド」だ
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そして今日最後の演奏者はこの人 孤 高のピアニスト 石田幹雄 だ
そういえば彼のここでのライブは久しぶりのような気がする そう思って調べたら4月の上旬以来だった 先月は仕事とかプライベートのことで忙しかったようで、実はつい最近ペンギンハウスからわりと近いところへ引っ越した彼は今日は自転車でやってきたそうだ いつもと違って時間の余裕もあったのもあって、彼にしては珍しくちょっと”リハ”をした 10数分ほどピアノを弾いた すごく素敵なラグタイム曲だった 終わってから彼に訊いた「今の曲誰の何ていう曲?」すると答えが

「いや、適当に即興で弾いてただけです」・・・さすが

そして本番が始まった いつもよりは割りと穏やかにゆったりと弾いている 途中少しだけ烈しくなる部分もあったがずうっと緩やかに滑らかな演奏だ

それが最後のほうへ近付くと次第にヒートアップしてきたような・・・なんとなくぼうっと聴いていた僕も自然に心がその音の中に惹き込まれていく 不思議な感覚なんだが石田幹雄の演奏には聴く人の意識をちょっと錯乱させる ようなところがあるのだ

僕もなんだかぐんぐんとその曲の渦のなかに巻き込まれていく・・・その時だ!

「パン!」という鋭い大きな音がした はっとしてステージを見ると石田が「しまった!」というような顔をしてそして演奏が終了した

多分そうだろうという予感を孕みながらステージに近付く・・・困ったような顔をした彼の手には一本の太い金属の線というより棒みたいなものが握られていた

それが今の音の原因、切れたピアノの低音弦だった まあ弦というのも消耗品でいつかは切れるのだが、あの妙な錯乱的な音にはピアノもちょっと正気を失ったのかも・・・知れないね(笑)

とにかく演奏は最高に素晴らしかった 切れた弦も本望だったかもね
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高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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