CD制作裏話  12

さて、収録する曲が決まり今回のレコーディングでアルバムをどういうコンセプトにするかのディスカッションが行われた。

結果としてはこういう方針が決まっ た。 まず修子が強く望んだのは「このアルバムはBGMとして聴001けるものにしたい」ということ、たとえば酒場で飲みながらお喋りしているバックでかかっていても 気にならない・・・しかしちゃんと聴こえるということ。(*右写真はペンギンハウスの近くののバーSTEPPEN STONEでこの時期限定で出している「モヒート」 生のミントが使われていてめっちゃ美味いですよ!)
それと修子のボーカルの声がとにかくクリアーに聞こえるように録音するということ、それ以外のアレンジやメンバー構成などはすべて僕に任せる・・・ということだった。
そしてアルバムの完成予定日を彼女の誕生日で同時にペンギンハウスでバンド「モンスターロシモフ」がライブをする7月25日までに仕上げるということに決定した。

いよいよ録音作業に入る前にまずはそれぞれの曲のキーとテンポを決める。それまでにすでにレパートリーにしていた曲はもう決まっていたが新たな2曲は そのキーの設定から始める。この作業をやっていて改めて気が付いたことは修子のボーカルの音域がほとんど普通の男性ボーカリストのキーと同じだということ だ。音資料として聴いてもらった原曲は両方とも男性ボーカリスト、それもかなり音域の低いほうだったのだが、ほぼそのキーのままでいけるということがわ かった。

そして録音作業が始まった。今回のレコーディングに使う録音機材は僕がもう10年くらい使ってる005マルチトラックレコーダー(略してMTRと呼ばれる) ZOOMの「MRS-1266」・・・だ。

今ではほとんどのレコーディングには「PRO TOOLS」と呼ばれるコンピューターソフトが使われる。これの機能はものすごくて、以前ならプロ用の機材にしか無かったような機能が満載されている。僕 も「これ、欲しいなあ・・・」と前から思ってたし、修子からも「買っちゃえば?」という薦めもあったが、使いこなせるまでの時間を考えたらとりあえず今の 機材でいこうとの結論になった。

このMTR・・・買った当時は一応最新機材だったのだが、今ではすっかりアナクロになってしまった。一応デジタルなのだが、出たばかりのガラケイと今の スマホくらいの機能差がある。プロツールスなら「チョイチョイ」とやれることもたいへんな手間がかかるのだ。音速で飛んでくるジェット機を竹槍まではいか ないけどショットガンで打ち落とすくらいの・・・といえばわかるかな? ただ長年使ってる相棒なので気心は知れてる。今回のレコーディングを最後に引退させることにして最後の花道をこの機械に飾ってもらうことにした。
ま ずはベーストラック作りから始める。このMTRでは最初に曲ごとに1つずつ新しいプログラムを010開く。そこにまずタイトルをつける。アルファベットでたとえ ば「STORMYMO」とか、打ち込める字数が決まってるので曲のタイトルを略したりして書き込む。ここらへんは昔のワープロみたいだ。

006開いたらまずはその曲のテンポに合わせたクリックを作成する。この機械には「オートドラムプログラム」要するにリズムマシンが付いている。これを使って実 際に「打ち込みドラム」を録音することができる。中にはおよそ400のドラムパターンが入ってるがこの中で僕が使うのは「」のチャンネルつまり「クリック」だ。

それぞれのトラックごとにテンポを決めまずはクリック音を出しそれにあわせてギターで曲のコード部分だけを入れてゆく。それが済んだら曲の構成にあわせてそれぞれのイントロ、間奏、エンディング部分に「仮の」リードギタ-を入れる。曲によっては「ベース」も入れた。

これでまず「仮歌」を入れるための「ベーストラック」が出来上がった

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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