今日のこれは多分ブルースの中では一番有名な曲じゃないかな ブルース知らない方でもタイトルくらいはどこかで聞いたことあるのでは
「SWEET HOME CHICAGO」
Come on baby don’t you wanna go
Come on baby don’t you wanna go
Back to that same old place Sweet home Chicago
Come on Baby don’t you wanna go
Come on Baby don’t you wanna go
Back to that same old place Sweet home Chicago
You know, one and one is two two and two is four
Come on baby don’t make me late Hidehey
Baby don’t you wanna go
Back to that same old place Sweet home Chicago
おいでベイビー、行きたくないのかい
おいでベイビー、行きたくないのかい
あの懐かしい土地、愛しの街シカゴへ
<くりかえし>
1足す1は2、2足す2は4
いいからもう僕をこれ以上待たせないで
Hideheyベイビー、行きたくないのかい
あの懐かしい土地、愛しの街シカゴへ
<くりかえし>
この歌詞にも歌うブルースマンによっていろんなバージョンがある。ここでは一番親しまれている「マジック・サム」のバージョンにさらに「ブルース・ブラザース」が手を加えたものにさらに手を加えた。
ちなみにこの曲の作者「ロバート・ジョンソン」は「Back to that same old place」のところを
「Back to the land of California 」と歌っている
シカゴはもちろん「イリノイ州」にあり「カリフォルニア州」とは真逆な土地だ。ジョンソンはそのことを知らなかったのか・・・でも演奏をしながらアメリカ中を旅していたというから知らなかった可能性は少ない。むしろ彼にとって「シカゴ」は夢に見る憧れの土地という意味でこういう歌詞にしたのかも知れない。
なお「Well, one and one is two two and two is four」という歌詞は似たようなものがほかのブルースマンもよく使う、これも慣用句なのだろう。「wanna」も黒人がよく使う「want to」の省略語,あと「Hidehey」という言葉は辞書を調べても意味がわからなかった。黒人独特のスラングか掛け声みたいなもの?
ここでちょっと講座、前の話で「当時のアメリカの黒人には言いたいことを自由に言える状況がなかった」と書いた。
実際調べてみるとその当時の南部での黒人差別および虐待さらにはリンチなどが日常茶飯事に行われていたという事実は僕らの想像以上の過酷で悲惨なものだったようだ
「KKK団」など公然とそういうことを行っていた連中が今でも存在していることに怖さを感じる
その中でロバート・ジョンソンよりさらに前の世代の「ミシシッピ・デルタブルースの父」と言われる「チャーリー・パットン」が残した曲・・・ここでは実在の白人保安官「トム・ラッシュ」のことをあからさまに批判する歌詞が出てきて一体当時こんな曲をしかもミシシッピという最も差別のヒドかった土地でよくレコーディングできたものだと(当然レコード会社の人間は白人なわけで)不思議に思うのだが、この歌を聴いてると当時の南部の黒人たちがどれだけヒドい境遇にあったかがうかがえる
「TOM RUSHN BLUES」
「 歌詞」
Laid down last night, hopin’ I would have my peace, eee
I laid down last night, hopin’ I would have my peace, eee
But when I woke up, Tom Rushen was shakin’ me
When you get in trouble, it’s no use to screamin’ and cryin’, hmm
When you get in trouble, it’s no use to screamin’ and cryin’, hmm
Tom Rushen will take you, back to the prison house flyin’
~以下略
訳すと
昨夜、安らかに眠ろうとベッドに横になってたんだ
昨夜、安らかに眠ろうとベッドに横になってたんだ
でも起こされた、トム・ラッシュが俺を揺さぶったんだ
もしトラブルに巻きこまれたら、喚いても叫んでもムダさ
もしトラブルに巻きこまれたら、喚いても叫んでもムダさ
トム・ラッシュはあっという間にあんたをブチこむからさ
高円寺ライブハウス ペンギンハウス