仲田修子話 25

さて、仲田修子話はいよいよ彼女の中学生時代の話に入って行くのだが、ここでちょっと彼女の近況についてお伝えしたい

ペンギンハウスのライブレポート、4月26日の記事にも掲載したが彼女の可愛がっていた猫が亡くなった 名前は「タロウ」 年齢は16歳 猫の寿命でいえばかなりの高齢なので大往生なのだが、とにかく修子はそのタロウをわが子のように可愛がっていた とてもルックスが良く毛並みも奇麗 おまけにものすごく頭が良くて人間が大好き 誰が来てもすぐなつく・・・僕も大好きな猫だった

症状が出てきたのは春になった頃 段々食事を摂らなくなり徐々に身体が痩せてきた そのうち血尿も出るようになり動物病院の医師の話ではもう腎臓が機能していないので時間の問題だと・・・その話を聞いたとき修子は号泣した

じつは4月の22日のペンギンハウスでのライブのときそういう不安と悲しみを抱えて彼女はステージに上がっていた もちろんそんなことは誰にも伝えずいつものように・・・

この日は珍しく雨が降っていた いつも驚異的な「晴れ女」の修子にしては本当に珍しいことだったが・・・

そのライブが終わった4日後の26日に彼女はライブや諸々の疲れを癒すために旅行を予定していた しかしタロウを残して出掛けるわけにはいかないとその予定をキャンセルし家でじっとタロウの様子を見守っていた タロウはどんどん衰えてきて歩くのもやっと 苦しいのかしきりに大きな声で助けを求めるように鳴く それを修子はやさしく抱きしめ撫でながら

「何もしてあげられないのが辛い」と嘆いた

そして26日 いつもは昼過ぎまで寝ている彼女なのだが、寝ながらタロウの夢を見て午前にふと目が覚めた 気になってタロウの居る場所に行ってみると、もうかすかに息をしている状態・・・そしてその30分後にタロウは息を引き取った

「たかがネコじゃないか」と言う方も居るかと思う しかしタロウは彼女にとっては16年間ずうっと生活を共にしてきた家族でほかの誰よりも修子に懐いていた彼は彼女にとっては息子同然なのだ

考えてみてほしい 手塩にかけて育ててきた息子が高校1年のときに死んでしまったその親の心を・・・

その後すっかり落ち込んで烈しく欝になってしまった修子 何日経っても心が癒えることは無く空しく悲しい日々がこのまま永遠に続くかのようだった ただ、彼女には気がかりなことがあった 2ヵ月後の6月17日にペンギンハウスでまたライブの予定が入っていた

いつも修子バンドはその1ヶ月以上前から次のライブへの準備に入る 修子も演奏する曲目やそのアレンジを考えたり、当日のスタッフへの連絡などそろそろそういうモードに入らなければならない時期が迫っていた

「わたしこんな精神状態でちゃんとやれるか自信が無いんだよね」

そう苦しげに言う彼女に僕はこう言った

「苦しいなら無理してやること無いよ がっかりする人も居ると思うけどきっと皆解ってくれる・・・そういう人たちばかりだもの」

「そうか・・・」

というわけで6月の仲田修子ライブは中止になった

幸い現在はかなり傷も癒えてきて少し元気になってきたのでご安心を

仲田修子という人物をけっこう「鉄の女」とか「スーパーウーマン」だとか思ってる人も居るかと思うのだが、彼女にはこういう繊細なところも・・・いやむしろそちらのほうが大きい人物なのだということは・・・これからのお話を読んでいただけばわかっていただけると思う それでは明日から「仲田修子話;第二部」スタートします

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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