仲田修子話 127

このコンサートの出演者は修子とペーパーナイフの2人 それに芝居の出演者として「S」の2人など あとキ○○イのイトウくんといういう人物が出演していた このイトウくんというのは修子がジャズの仲間と交流があった頃からの友人で、フリージャズプレイヤーだった 最初彼はお芝居でワルに絡まれる役を割り当てられていたが「僕はこんな役やりたくない」とゴネて仕方なく絡むほうの役に変更されたりしていた

舞台は歌と芝居とが交錯する形で出来上がっていた このステージで特に観客の目を引いたのがステージに設営されたセット それは壊れたテレビを何台もステージ上に並べその画面はあの砂嵐のようなザーっという画面が無音で映し出されているもの これも修子が考えた演出で、筆者もこの舞台には確か進行係か何かで参加していたが、そのビジュアルは今でもはっきりと覚えているほどインパクトがあった 都会的で無機的で虚無的でクールで・・・まさに仲田修子の世界そのものだった

そして修子の歌「お夏」ではあの「みっちゃん」が出てお夏の役で曲に合わせて踊りを披露した

彼女はジャズボーカリストだったが、若いときに日本舞踊も習っていたので心得があったのだ

修子はそのコンサートでは特別な衣装を着た それは和服の帯を使ってジャケットに仕立てたもので、帯に金糸で織り込まれていた龍の絵柄が美しく素晴らしいものだった(写真はモノクロなので残念!)

コンサートは大成功だった 観客席からは終わると大きな拍手が送られた

終了後のカーテンコール・・・「僕に当る照明が暗かった」などと文句をいう者は・・・もちろん誰一人居なかったのは言うまでもない

修子はこのようにこの当時かなり活動的に企画とかをやっていた それは彼女の弟が死んだショックからの反動で当時彼女がものすごい躁状態になってたからだった

考えてみれば修子の企画好きというところは子供のときからあったのかも知れない たとえば従兄弟たちを集めて色々な遊びを思いついて、皆にやらせていた時からだったのかも知れない

そして「躁状態」になっていた修子はこの頃からものすごくパワフルになっていた それはぎらぎらと輝く巨大な太陽のようで、その光と引力は多くの惑星・・・若者たちを次々とその引力圏に引き込んでいった

その1人があの男・・・そう、この私だ

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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