それはアメリカの歴史の中でも稀代の悪法と言われた「禁酒法」でした
これはキリスト教的見地から保守的な人々の考えを受けいれ
「アルコールは社会の秩序を乱し、労働者の労働意欲を阻害する害悪である」という考えでアメリカ議会で採択され1920年~33年まで施行されました
結果はどうなったか・・・・健全なアメリカを目指した人々の思惑とはまったく逆の方向になり、禁止されていても人々はアルコールを求め、それによってヤミの酒場そして密造酒が作られ、それに「アル・カポネ」などアメリカのマフィアなどが目をつけ、それが彼らの膨大な資金源になりそれをめぐる抗争が激化し、かえって荒れた時代を生み出してしまいました
そして、この時目をつけられたのがアパラチア地域で作られていたウイスキー 山奥の人目に付かないところで密かに・・・いやいや、かなり大っぴらに作られていたこの酒に需要が一気に押し寄せ、その酒はアメリカ全体に広がっていきました
その過程で需要を受けた結果、彼らのウイスキー製造法はしだいに進化して当初の「まあまあ呑める酒」から「美味しいウイスキー」というレベルになっていき、今ではアメリカを代表するウイスキーとなりました
ちなみに意外と知らない方が多いのですが、「バーボン」と呼べるのは「ケンタッキー州」で作られたウイスキーだけで(だからボトルラベルに必ずKENTUCKYと記されています)それ以外の土地で造られたものはそう呼ばれません 多くの方が「バーボンの代表」だと思ってる「ジャック・ダニエルズ」はバーボンではなく「テネシー・ウイスキー」と称されています
ところで、この当時・・・というか現在でも、こういった密造酒のことを
「ムーンシャインMoon Shine」 それを作る人たち(上の写真の人たちですね)のことを
「ムーンシャイナー Moon Shiner」と呼んでいました なかなか素敵な名前ですが、この名前を聞くと思い出す曲そしてあるアーティストがいます
高円寺ライブハウス ペンギンハウス