ギターギター 37

ところで、ここまで紹介してきたのはアパラチア地方に伝わり残されてきた主にアイルランド系の白人たちの話でした ここでひとつ疑問が湧いてきました
「この地域に黒人は居なかったの?」
調べてみました すると意外な結果が・・・1970年のアメリカ政府の統計が出てきました

当時の全米の黒人の人口割合が平均で11,10%なのに対してアパラチア南部では13,84%とかなり高いのです

アメリカの黒人差別の話は主にミシシッピやアーカンソー州、テキサス州あたりに多くてこのあたりでの話はあまり入って来ませんでした もちろん南部ですし他よりも保守的な地域ですから差別が無かったはずはありません ただ・・・

ここからははっきりとした証拠がある訳ではないので勝手な憶測ですが・・・かつてのこの地域では白人と黒人の生活レベルにあまり差が無く、たとえばミシシッピのプランテーションのように少数の裕福な白人が多くの黒人を労働力として支配してきた・・・そういうことがあまり起こらなかったのでは・・・と思うのです

それで考えるとたとえば炭鉱や鉱山などで働いていた労働者たちには白人と黒人の差がほとんど無かった・・・つまり両者とも同じように差別されていたのではと思うのです

同じような境遇に立たされていた彼らは職場でも肩を並べて働き、そして休憩時間には同じ場所で飯を食べ、もしかすると持ってきた楽器を一緒に弾いて演奏していたのではないかと

その証拠にケンタッキーの炭鉱で働いていた「マール・トラビス」はそこで出会った黒人のギタリストからピッキングのヒオントをもらっていました 昨日紹介した「ビル・モンロー」も黒人のフィドル弾きから影響を受けたと語っています

それを証明するような音が残っています 次に紹介する2つの音源 最初は白人、ジョージア州出身の「トム・ダービー」と南キャロライナ州出身のジミー・タールトン」が組んだユニット「ダービーアンドタールトン Drarby&Tarlton」の演奏 次はジョージア州出身の黒人「ブラインド・ウィリー・マクテル Blind Willie M’ctel」の演奏です


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