ギターギター 60

このころから私はブルースの中でも「ラグタイム」の要素を持ったスタイル、とくにギタープレイにのめりこむようになりました マクテルも好きでしたがもっとすごいギタリストに出会いました 最初この人のプレイを聴いたときにはあまりのスゴさにちょっとしたショックを受けました そのブルースマンとは

「ブラインド・ブレイク Blind Blake」

1895年頃(1890年という説もある)フロリダ州ジャクソンビルに生まれました。本名はアーサー・フェルプスと云います。
1926年8月にシカゴのパラマウント・レーベルに初吹き込みをして「アーリー・モーニング・ブルース/ウェスト・コースト・ブルース」をヒットさせました。1932年6月までに84曲を吹き込んでいますが、単身の弾き語りや、バンジョーのガス・キャノンとの共演、マ・レイニーやリオーラ・B・ウィルソン、バーサ・ヘンダーソン、エルザディ・ロビンソンなどの女性歌手の歌伴、またクラリネットのジョニー・ドッズやピアノのチャーリー・スパンドと共演したりと幅広い活動をしています。
巧妙なラグタイムギターと哀切感のある鼻に掛かったとぼけたような歌声は魅力的で、レヴァランド・ゲイリー・ディビス、ビック・ビル・ブルーンジーを初め、レオン・レッドボーン、ヨーマ・コウコネン、ライ・クーダーなどに影響を与えました。
1933年に故郷のフロリダで亡くなったと伝えられています。(以上;ラディカル・ビスケットより)

まずは彼の代表的この曲を聴いてみてください

どうです? スゴいでしょ! これがギター1本でやってるって信じられますか? 私は最初オムニバスアルバムに1曲だけ入ってた彼の曲を聴いてちょっとしたパニックになりました 言葉で表わそうとするとこんな感じかな「!?!?!?!?!?」(笑)

「これ、絶対に2人で弾いてるに違いない・・・」
最初はそう思ったのですが、何度か聴いてるうちにこれはやはりたった独りでやってるということを認めるしかありませんでした

そしてこういうギターをどうしても自分も弾いてみたくなりました 当時はビデオも教則本も全く有りませんでした そこで・・・とにかくレコードに入っていたその曲をもう何度も何度も繰り返して聴く・・・よく喩えで「レコードのミゾが擦り切れるまで・・・」といいますが、本当に擦り切れました

そして耳で聴いて覚えた音を実際に自分の手でギターで再現してみる・・・言うのは簡単ですが、これがもう本当に人間業ではないテクニックが必要とされました 基本は3フィンガーピッキングなのですが・・・

まず一番のコツが親指で出すベースランが、普通のギタリストだと1小節に4回、言葉で表わすと「ド・ド・ド・ド」といった感じなのですが、ブレイクの場合この1拍目と3拍目の前にシンコペーションした「前振り」みたいな音が入ってきて「ンドッ・ド・ンドッ・ド・」といった感じになるんですね これを「ストンピングベース」と言うらしいです(あとで実演してみますが)

そして人差し指と中指で弾くメロディーはこのベースランとはまったく関係の無さそうなフレージングを縦横無尽にしかも恐ろしく早いパッセージを弾く・・・

いくらやっても独りでこれをやるのはムリ! 何度も挫折しかけました
しかし、幸か不幸か・・・当時の私は彼女も居ず友達も少なかったので(笑)ギターを弾く時間だけはたっぷりありました 当時は1日に10時間以上弾くなんて普通だったのです(今だったら死にます)

毎日毎日・・・これをやり続けたお陰で・・・どうやらなんとか弾くことが出来るようになったのです その後、有山じゅんじさんとか、打田十紀夫さんや、ベアホーク・ウルフ造田さんとか、ブレイクのギターをしっかり弾ける人が多く居ますが、当時は本当に周りには誰も居なかった・・・のですよ!
ちなみにこれから見ていただく動画は去年の10月に八ヶ岳の自宅の横の原っぱで撮ったものです 今やったら・・・寒くて手が動きません あと・・・昔はもうちょっと早く弾けたのです・・・よ などと言い訳したりしてますが

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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