誰にでもわかるPAの話 序章(後)

皆さんもご存知のように地球の気候は日々変化しています。 とくに日本という国は「モンスーン地帯」の中にあり春夏秋冬の四季があり、ここ東京も真夏は40度近くに真冬は0度以下にまでなったりしますね! 以前インドから仕事か何かで日本に来ていた方が「日本は地獄のような土地だ!」と言ってたそうですが、その温度差だけでなく湿度も夏と冬では大違い・・・おまけにその日の天候で、晴れだったり雨だったりでは湿度がかなり違うのです。 するとどういうことが起きるか? 大概の皆さんはご存知だと思いますがPAシステムの中で最終的に音を出す機材・・・それはスピーカーですが、その真ん中近くにある大きな丸いもの「コーン」と呼ばれここが振動することで「音」が出るわけですが、この「コーン」の素材は「紙」です。 今は違う素材も開発されてきてるようですが、21世紀の今の時代になっても基本はこの紙(もちろん特殊な素材ですが)で出来てます。 それで紙って・・・どうですか? 水をかけたらぐっちょり濡れちゃいますよね もちろんこれらの素材にはしっかりと防水加工がされてますが、それでもわずかですが影響は出るのです。

さらに楽器となるともっと深刻です。 僕はアコースティックギタープレイヤーなのですがこの「アコギ」が厄介で、素材の90%以上は「木」で出来ていて、しかも表面は塗装されてますが、裏面は全くの無塗装・・・ですから、雨の降る日なんかは露骨に音が出なくなります これはピアノやクラリネットなどの木管楽器などでもそうみたいです。

何よりその店の空間に満たされている「空気」・・これが晴れた日と雨の日では音の伝わり方が微妙に違うのです(このことについては本章で説明します)。

そして、さらに厄介なのがその演奏者さんのその日の体調や気分で出てくる音がかなり違ってくるのです。 たとえばバンドの中のドラムの人がその日は妙にテンションが高くていつもより叩く力が強かったり、逆にベースの人が前の晩呑みすぎて二日酔いでガンガン弾けなかったり・・・とかとか

もっと深刻なのは「ボーカル」です 「初音ミク」などの一部の例外を除けば今でもボーカリストがやることは(ピッチベンダーやトーキングモジュレーターなどもありますが)喉の中の「声帯」を震わせてそれを口を含む身体に共鳴させて声にするというのは多分人類が何百万年昔から変わらずやってきてることだと思います。

何しろ生身の身体ですからそのボーカリストのその日の体調(カゼを引いてるかとか)心理面(恋人から別れ話を言われた直後とか)その時のコンディションでまるで違ってきます。

しかし、その演奏を聴きに来たお客さんももちろん演奏者本人も「いつもの音」を要求します。 そうならないと殆どは「PA何やってんだ!」・・・ということになります(笑) もちろんこちらのせいもあったりするのですが(僕だって生身ですから)。 たとえば楽器の音が出ないと大概の人はPAオペレーターのせいにしたがります(笑)・・・大抵の場合そのほとんどの原因はたとえばシールドケーブルが断線してたり、ちゃんと繋がってなかったりするのですが(これ本当に多いんですよ)。

あ・・・何か愚痴になってきちゃいましたね! すみません。

ここでは一般の、PAのことなんか全然わからない方にもちょっとこの世界のことを極々解りやすい書き方で知ってもらいたいなと思いまして・・・そして
「ちょっとPAやってみようか」なんて思ってくれたら嬉しいです!

それでは次回から始まります まず第一章は「そもそも音って何だ」です。

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

出演するには?

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする