誰にでもわかるPAの話 ,3

『音って何? 、3』

さて、光くんや電波くんに比べるとだいぶ劣等性のような「音くん」ですが、優れたところがあります。 それはものすごく色々なパターンやニュアンスを持ってることです。


たとえば光のことを考えてみましょう。 太陽の光はふつうは白いあるいは色が無いですよね! これをプリズムという特殊な装置を使うと「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」の7色になります。 これは光の中にある成分を「周波数」あるいは光の「長さ」で分けるとこの7色になるのですが、実際は赤よりももっと波長の短い「赤外線」紫よりもっと波長の長い「紫外線」というのがあるのですが、人間の目にはそれを感じることができません。色もたとえば緑と青の間には何色もの「中間色」がありますが、それを見分けるのはなかなか難しい・・・つまり「光くん」は優等生だけどあまり面白みがないのかも知れません。

その一方「音くん」はどうでしょう? たとえば皆さんはライオンの声とゾウの声は聞けばすぐに聞き分けができますよね! ギターの音とピアノの音・・・同じギターでもたとえば詳しい人なら「GIBSON」と「MARTIN」のアコギの音、同じ「MARTIN」でもトップ(表面板)が「スプルース」か「マホガニー」でも違いますし、人の声だって100人居たらほぼ100人とも違う声に聞こえるでしょう・・・

つまり音にはその強弱と高低以外に「ニュアンス」・・・つまり「音色」というものがものすごくふんだんにあって、それが様々な動物の声や楽器の音や色々なものが立てる物音を作り出してものすごく豊かな世界を作ってます。 光にはこういった器用なことは出来ません。 だからあとは「形」や「質感」というものの手助けが必要となるわけで「美術」というのは光と形と質感が合わさってはじめて出来上がるのですね。

音は今度はそういうことに関しては「自立」してるのです つまり勉強はできないけど面白いことをやって皆を喜ばせる人気者・・・なのかも知れません。

音や声をたとえば「オシログラフ」とか「声紋分析」とかにかけてみると、驚くくらいのバリュエーションと組み合わせでできてるのがわかります。 つまり、一つの音だと思って聞いてるものが実は色々な音のミックスで出来上がってるということなんですね。

そうそう・・・もう日本の特撮映画では「レジェンド」になってる「ゴジラ」・・・あの声ってどうやって作られたか知ってます? あれはゾウの鳴き声にコントラバスや機械の音などを合成して作ったんですって!


光はどんどん混ぜてゆくと結局は白・・・無色になるのとは真逆で、音は混ぜれば混ぜるほど(もちろん混ぜ方次第ですが)さまざまな豊かなものになります。

だから・・・「音楽」というものが出来たわけですよね!

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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