短編小説④
チェロの巨匠カザルスが昔、戦時中に「一人の子供の命を救えない芸術家はダメだ」とのたもうた。こういう善人ぶった言い方が大嫌いだ。だいだい芸術家...
チェロの巨匠カザルスが昔、戦時中に「一人の子供の命を救えない芸術家はダメだ」とのたもうた。こういう善人ぶった言い方が大嫌いだ。だいだい芸術家...
長編小説を読んで感動する。それは短編小説を読んだ以上に感動するかも知れない。しかし、それは誤解である。どんな素晴らしい長編を読んだところで、...
短い事自体が魅力なのは、何も短編小説に限らない。私の愛する俳句はもっと短く、それは人生の一瞬を鮮やかに切り取ってみせなければならない。芸術に...
ブログを書くようにとのご要望があって重い尻を上げることになった。 音楽の現場で仕事をしているので、音楽の話はしたくない。ヤボだからだ。...
サッカーのワールドカップも終局だが、いやでも世界中でナショナリズムを煽ってきた。ところで「日本」の国号が制定されたのは689年だそうだ。それ...
「愛」という言葉が軽く言われているような気がする。「愛してます」「愛されてます」と軽く言いあって、いつの間にかもう別れている。 「愛は...
少年時代から「懐しさ」という感情を抜けきれないでいる。思えば胎内に十ヶ月十日宿していて、いきなり、この世へ生れ落ちた。その赤ん坊の何たる老け...
酔っ払うと、ときどき幻聴がある。先日も静かに呑んでいると、はっきりと語る声が聴こえた 「おのれを知ったら、ただちに退散せよ!」 と
狩野派の水墨画を観て長谷川等伯の息子が言った言葉 「人間はこの世だけで生きているんじゃないのね~」 この息子も出世して立派な絵師...
世阿弥の言う、衆人愛嬌(しゅうにんあいぎょう)は、どんな優れたものでも、またどんなアホでも、一様に受け入れる事。人前でパフォーマンスを演るこ...