女ばかりの闘いの一夜が明け今日は「男」ばかりの闘い・・・いや、これがいつものペンギンハウスさ 最初の出演者はなんとペンギンハウスには10年ぶりの出演シンガーソングライター梅太郎だ Martinnのかなり年代もの(聞いたら’67年だそうだ)のD-18を抱えハーモニカホルダーにブルースハープを挟んでリハのステージに立つ小柄な男性 僕も演奏を聴くのは初めてだ 演奏が始まる ああ、久しぶりに聞くなあ 本格的なチャーチリック奏法・・・いわゆるカントリー系のギタリストの基本だが今ちゃんとこれをやる人は本当に少ない そして、ハープを吹く その音を聞いて僕はピンと来るものがあった リハが終わって彼に尋ねた 「あのハープ、ニール・ヤングにそっくりですね」 するとにこっと笑うと「そうなんです 僕大好きなんですよね」 そして本番 今回、彼が10年ぶりにここに登場したのは新作アルバム「MUsic From Studio ‘Be」の発表にちなんでということだ 本番はさらに素晴らしかった ひとつひとつの音を大切に、オネスティーのたっぷりある演奏 こういう人が実は最近少なくなってるような気がする ぜひがんばってどんどんライブやってほしいね
次に登場するのもギター弾きのシンガーだ 津軽前田はペンギンハウスの出演者でもある意味「異端」と言えるような異色の表現を持ったシンガーだ 大体アコースティックギターなのになんだ!あの変な音は(笑) フランジャーやオートワウを通した音はもうすっかり捻じ曲がったまるでダリの絵のような異様な音空間を作り出す おまけに声にまでエフェクターかけて・・・え?地声か ああ、ビブラートだったのね(笑) 彼の表現はだから一筋縄じゃない はっきり言って好き嫌いがはっきり別れるだろうなあ それは僕が昔青森名産の「ホヤ」がダメだったのにある日を境に大好物になってしまったような変化をあなたにも与えるかもしれない まだまだ不可思議な存在なのだ そして限りなくパンキッシュでもある・・・それってやっぱりロックじゃないか
そしてロックといえば今日がペンギンハウスには2回目の登場になるRabbitFighter礼乃助だ かなりビンテージもののTelecaster Deluxe・・・’75年でなんと彼と同い年だそうだ それにHeavy Bottomの太い弦をオープンチューニングで・・・ボトムの効いたぶっといサウンドはロックでありブルースのフレーバーが溢れている そのハスキーな声も本当にロッキン&ブルージー 声がねえ・・・誰に似てるのかなあ ロッド・スチュアート? ふと思ったのが意外かも知れないけどキム・カーンズだ 本人はどう思うのかねえ(笑) 彼の歌がまた自然体というか、気負いすぎでも気が抜けてるでもなくいい感じでナチュラルなんだよねえ 皆さんも一度聴いてみてほしいな お勧めだよ
そして、最後に登場したのがミノルBグッド セッティングが済んで今夜はTelacaster(シンライン)をアンプに通して演奏が始まる すると・・・おお、いきなりかなりの爆音!(笑) 僕も彼との付き合いが長くなってるからこういう時の彼が何を考えてるかすぐわかる とにかくミノルは「負けず嫌い」なのだ ということは自分の前の礼乃助がいい演奏をしちゃったということなのだ(笑) こういうときのミノルはガンガン行くよ!とにかくロック&ブルースの雨あられだ そして、気がつけば前列で聴いていた礼乃助と彼のオーディエンスたちがむちゃくちゃ盛り上がってる そうなんだよなあ こういう時に「持ってっちゃう」力においてはミノルBグッドは本当にすごい 新曲なんか無茶苦茶つっかえたりしても結局はウケてしまう いやあ、高円寺ライブハウスの今夜はいつもにも増してロックな夜だったなあ
高円寺ライブハウス ペンギンハウス