Nice to Meet You 1日

いやあ、今日のライブのメニューはいい顔ぶれだったなあ いずれもペンギンハウスにはすごくお馴染みの出演者ばかりなんだけどなかなかこれだけ顔が揃うってのもなかなかないねえ

今日最初の演奏者は あさのおよぐ およぐと言えば「独りパンクロッカー」としてすっかりお馴染みだが今日は彼以外の出演者はすべてユニット、それもパワフルな演者ばかりでこれは手強い およぐ大丈夫? いや、心配は無用だ こういうときこそさらにパワフルで気合が入る彼は期待通りギターをぶんぶん言わせてエネルギーを思う存分放出する・・・と それはよかったのだがなんと1曲目が終わったところで早くもギターの弦が切れてしまった 今まで彼が弦切ったの僕の記憶にはない それも5弦かあ・・・それは致命的だあ すると、次に出番を控えていたたこボーが親切に自分のギターを貸し出してくれた あのワインレッドのSGがおよぐの腕の中に・・・うん、このギター改めて聴くとバランスがいいなあ およぐが弾いてもいい音だ(笑)それで無事に残りの曲を演奏することができた彼の最後の曲はやはり「ラリルレロックンロール」だった

そして2番目に登場したのはたこボー&ハナコのhanTakoだが、訳あって今日は彼らのれびゅーを一番最後に回させてもらう その理由はまたあとで
さて、3番目に登場するのはギタリストらりはのユニット らりはproject らりは(vo/g),どろんこ(b)島(ds)という3人編成のユニットだ そういえば僕が先日この日記で吉祥寺にあった「OZ」というロックハウスについて書いたが、本番前と後でらりは氏とどろんこ氏とその話で盛り上がった あのOZが閉店するときに開かれたラストデイライブ(後にレコード化された)をらりは氏は観に行っていて、どろんこ氏はなんと出演していたそうだ(どろんこ氏は当時お店のスタッフもやっていたそうだ) そんな話の間に挟まった彼らのライブは高円寺のライブハウスがまるでその時代にタイムスリップしたような演奏を聴かせてくれた そうそう、60年代の終り頃段々とポップ化しはじめた当時のロックシーン(いつでもこういうことが起きるのだね)に反発して「アートロック」などと呼ばれたミュージシャンたちが創り上げていたサウンド 重々しくてどこか混沌とした世界 どろんこのドヨーンと重たいベースにらりはの時々突き刺さるようなギターとそれらの固まり・・・いかがわしさのあったあの当時のロックを僕は思い出していて、聴きながら気持ちのいい目眩のような中にいた

そして、今日はその流れがそのまま引き継がれるように最後の みみのこと が登場した
スズキジュンゾの巨体から繰り出される破壊力と包容力同時に兼ね備えたようなボーカルとギター それにとんでもなく破壊的な衝動を常にマグマのように蓄えているニシムラのベース 実直で安定性があると見せていつでも突然大爆発してみせるシムラのドラム それらが混合された化合物は極めて「取り扱い注意」なのだ そうそう、ロックって「危ない奴らの音楽」ってレッテルって未だにけっこう生きてるがそれをこれだけ気持ちよく聴かせて魅せてくれる人たちもなかなかいないよなあ だから僕もちょっと「危ない奴」になってやりたくなる
さあ、ジュンゾのラストギターソロだ もうフェーダー目一杯上げちゃうぞ!

さあ、お待たせしました いよいよhanTakoの話に行きます なぜこの話を最後に持ってきたかと言うと、今日は特別な思いがあったからだ じつはたこボーがこの6月からしばらく仕事の都合で東北の釜石に行くことになり・・・まあ今日がラストデイというわけではなくライブも続けてゆくそうだが、今までのようにハイペースでは行かなくなるとういうことだ それを知ってか今日は多くのオーディエンスが彼らを聴きにやって来てくれた これもたこボーの人徳だね さて、そのhanTakoの演奏だが、今年前半も凄まじい勢いでライブを重ねてきた蓄積と言うのかな・・・とにかくどっしりとした確信みたいなものが太い幹のように彼らの中にあるみたいでそこから次々に放たれる音の矢が1発1発気持ちよく聴き手の胸に突き刺さる 今ではたこボーの活動の大半を占めるこのユニットは、気がついたらとんでもなく強力で魅力的なものになっていた そして、ステージの上でギターを弾き歌うたこボーの動きはまるで熟練の格闘技家のようでもあり・・・いやいや、この動きに僕は覚えがある・・・何だろう・・・記憶のページを急いでめくる・・・ええと・・・あっ! 思い出した 以前僕は八ヶ岳に住み始めた頃から「渓流釣り」を始めた 深い深い山の奥の源流・・・その澄み切った冷たい水の流れる秘境の川の中から現れるヤマメやイワナたち ものすごく警戒心が強くかつ獰猛な彼らが餌に飛びつく瞬間・・・たこボーがあのマイクに飛びつく姿はそれを思い出させた 油断のできない相手・・・どれだけこちらが鍛えられたか 改めて僕がたこボーに対して抱いている気持ちがこれと似ている・・と思ったりしたのだよ 誰よりも気を使い誰よりも繊細で努力家、その分自分にも他人にも同じように厳しいミュージシャン 僕よりずっと年下なのだけど僕はずっと畏敬の念を持って彼に対している それはこれからも・・・だね
たこボーの活動はこれで少しペースダウン でもきっと行った先でも何か新しいサブジェクトをきっと見つけるんだろうなあ まだまだ先に行ってほしいね とにかく今日はお疲れ様 すごくカッコよかったゼ!

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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