ノーリターン      12日

連休の真ん中の今日 昨日に比べるとやや寒さがゆるんで陽射しもある・・・ほんの少し暖かいだけでも気分がずいぶん違うよね 冬至を過ぎて太陽の通り道も少しずつ早くなってきているんだよねえ でもまだまだ寒さの”ど真ん中”

今日のペンギンハウスライブは5対バン それもスタートが18:00・・・恐ろしく早いスタートだ

それでも連休中ということもあるのか早い時間から多くのお客さんが来てくれていた

その中始まったのは今日最初の演奏者 中川カルテット だ メンバーは やまもとさとみ(as) 石川剛(pf) 中川雅裕(gt) 木南利一(ds)

やまもとのアルトサックスを核としてこのユニットの前身の「やまもるふぉーぜ」のときと近いゆったりとアンビエントな空気をたっぷりと含んだようなサウンドは”七草かゆ”のようにちょっと弱った心に優しい口当たりで届く

いつものライブではそういった曲にちょっと激しさのある曲も混ぜて演奏する彼らだが、今回はそういったソフトな手触りの曲ばかりだ そして最後に演奏したのは僕もけっこうハマっている「ネコ・ネコ・コネコ」という可愛らしい曲だった

そして2番目はvo , g , b ,ds ,sax の5人組ユニット Go Go マーチャンズ だ

ほぼ毎月ここに出ている彼らだが基本はボーカルのマサキチの得意なソウル、R&BそれにR&Rというのをベースにしながら毎回違うテイストを持ってくるのだが、今回はマサキチは一切ギターを弾かずに彼に言わせると「歌謡曲」といったコンセプトで日本語の曲を中心にしたセット

それにしても去年からずうっとこのメンバーでの演奏だが、ここにきてマーチャンズのサウンドが本当に冴え切っている たった4人で作ってるとは思えないような厚みとビート感に溢れるサウンド、そしてギターを手放したマサキチはもう”鬼神”のようにパワフルで無敵なボーカリストになる

今日やった Sam Cookeの「A Change Is Gonna Come」なんて涙ものだったよなあ・・・

3番目に登場したのはこれもペンギンハウスには毎月登場しているユニット 9413 だ

今回はドラムのエダが休みで3人編成 真ん中のドラム席に座ったブルースが叩き出すビートが今日の9413だ

前のマーチャンズの残した熱気にまだ巻き込まれながらも少しずつ自分達の土俵に引き戻してゆく 途中ボーカルのアツシのギターの弦が切れるというアクシデントも挟みながらちょっとよたよたしながらプロペラの複葉機のように徐々に高度をあげてゆく彼ら・・・おや、気がつけばこんな高さに・・・

そこから一気に駆け下りるように畳み込むように最後の曲 「新しい未来」・・・いい演奏だなあ

4番目は今日唯一のソロシンガー 団長 だ アコギを弾きながらかなりごつごつとした手触りの男性的な歌を歌う彼のスタイル 不思議なことに今のペンギンハウスには居そうでなかなか居ないタイプのシンガーだ どっしりと「ブルース」という土台に腰を降ろしてそこから見えるものを最小限の言葉で手短に歌い上げる その土台を支える何の飾り気も排除したストイックなギターブギ・・・ちょっと昔には大勢いたはずのこういうシンガーが気がついたら本当に少なくなってきているのかも知れない ちょっと「ライトニン・ホプキンズ」みたいだったなあ・・・頑張ってほしいなあ

さて、今日最後の演奏者は独特のスタイルを持つユニット プレスターズ だ

ボーカルのロンを中心にアコギとパーカッション(9413のブルースがやっているという「都市伝説」があるが)というシンプルなサウンドながら”予言”のような不思議でマジカルな構造を持った曲でステージが進んでゆく 今日はアコギだけでなくエレキギターも導入してさらにマジカルな世界を創り出していたが・・・驚いたことにカバーで「マリリン・モンロー ノーリターン」という曲をやった

懐かしいなあ・・・ところがこの曲の作者を彼らは知らなかったらしい 「誰だったっけ・・・」・・・と

あのねえ・・・それはあの「野坂昭如」なんだよ(笑)

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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