さて、ちょっと小難しい話が続いちゃったので今日は柔らかい話題を
もうだいぶ前にテレビで放映されてて多分観たことある人が多いと思うけど、若い人は知らないかもしれないから紹介する 僕が大好きなCM・・・Coorsというビール会社の広告だ
内容はストーリー仕立てになっている
あるバーで一人の若者が座ってギターを弾いている あまり上手くなさそうだ
するとそこへその様子を見ていた1人の老人が近付いて話しかける
「いいギターだ・・・少しいいかね」
若者が答える
「弾くの?・・・マジかよ」
あきらかに馬鹿にしたような表情で渋々ギターを渡す
「まあ見ててくれ」
受け取ったギターを弾く老人・・・むちゃくちゃ上手い
あっけにとられた若者
「驚いたな・・・あんたの名前は?」
老人が答える 「そこに書いてあるよ」・・・とギターを示す
ギターのヘッドにはロゴが 「LES PAUL」と書いてある
いやあ、イキで洒落がきいたCMだった
レス・ポールというギタリストは1915年生まれで、13歳のときにはもうプロとして活動していたという
彼のスタイルはもう本当に正確で怖ろしく早いパッセージのギターフレーズで、「ジャズギタリスト」という括り方をされてるが、カントリーミュージックのようなところもあるしフレージングはむしろ後世の「ヘビーメタル」のギタリストたちに影響与えたんじゃないかという気がする
彼の凄いのはそのギターテクだけじゃなくて、もう1950年代初めぐらいに「マルチレコーディング」や「テープエコー」みたいなものまで自分で開発していて元祖「プログレギタリスト」と言ってもいい
そして彼のギター自体に対するクリエイターとしての才能もすごくて1941年にはギターのネックからエンドまで通り芯のように木材があるセミソリッドボディーのギター「ログ」を開発・・・この考えは後にGIBSONが「ES-335」などに取り入れてる・・・
そしてなんと言っても最大にすごいのはGIBSON社に彼が提案したアイデアを元に作られたギターその名も「レス・ポールモデル」だろう
ギターをちょっとでもやったことのある人なら知らないはずはないこのビッグネーム
色々なギタリストの名前を入れた「シグネチュアーモデル」というのは数多くあるが
たとえば「エリック・クラプトンモデル」は「ストラトキャスター」のクラプトン仕様なのであって、その大元の本体にギタリストの名前が付いてしかもこれだけポピュラーなものを僕はほかに知らない
レス・ポールは1949年に3度目の結婚で歌手メアリー・フォードと一緒になりその後二人で素晴らしい録音を数多く残している
そして2009年、94歳で亡くなる直前まで現役でライブをやっていたという・・・やっぱ凄い人なのだ!
高円寺ライブハウス ペンギンハウス