CD制作裏話  20

さて、今日の曲はおそらくこのアルバムの中では一番南部のブルースらしい匂いを持ったこの曲

「Baby What You Want Me To Do」ri-do

You got me runnin’  you got me hidin’
You got me  run hide , hide run Any way you wanna let it roll
Yeah! Yeah! Yeah!
You got me doin’ what you want me
Baby why you wanna let go

I’m goin’ up , I’m goin’ down
I’m goin’ up down, down up Any way you wanna let it roll
Yeah! Yeah! Yeah!
You got me doin’ what you want me
Baby why you wanna let go

You got me seekin’ ,you got me hidin’
You got me seek hide,hide seek Any way you wanna let it roll
Yeah! Yeah! Yeah!
You got me doin’ what you want me
Baby why you wanna let go

訳詞は

君は僕を走らせたり、隠れさせたり
走り、隠れ、隠れ、走り・・・僕を混乱させる
イエー!イエー!イエー!
僕を思いのままにしておいて
それで行っちゃうっていうの?

僕は舞い上がったり、落ち込んだり
舞い上がり、落ち込み、落ち・・・舞い・・僕を混乱させる
イエー!イエー!イエー!
僕を思いのままにしておいて
それで行っちゃうっていうの?

君は僕を捜させたり、隠れさせたり
捜し、隠れ、隠れ、捜し・・・僕を混乱させる
イエー!イエー!イエー!
僕を思いのままにしておいて
それで行っちゃうっていうの?

「Any way you wanna let it roll
Yeah! Yeah! Yeah!
You got me doin’ what you want me
Baby why you wanna let go」

という長い歌詞はすべてのコーラスの後半を占めているので実際は内容的には濃くないのだが、22-DSC03682こういう歌詞の作り方はブルースがダンスミュージックだということの証しでもある。白人のカントリーミュージックにも「リール」というのがあってほとんど同じ歌詞を繰り返すという形式になっている。だから「韻を踏む」という手法をよく使うのもブルースでは常套手段、また他人が作ったかよく使われている言葉を引用するのもブルースにはよくある 昔は著作権などという概念は無かったということもある そういう意味でブルースは本来の意味での「フォークソング」でもあるのだよね

余談だけどこの曲を書いた「ジミー・リード」は文字が読み書きできなかった(当時の黒人では普通のことだったらしい)らしく、おまけにかなりのアル中で記憶力がダメだったので歌詞はすべて彼の奥さんが口述筆記しておいてあとでレコーディングのときなんかは横に付いてて「プロンプター」の役割をしていたそうだ。

それである日、録音の最中、奥さんが1行目の歌詞を読んだあと次の一行も同じだったので「そこは繰り返す」と告げたらジミー・リードはそのまま「そこは繰り返す」と歌ってしまった・・・というウソのようなエピソードが残っている

ジミー・リードは「BABY WHAT YOU・・・」など名曲が多いのだが、ブルーススタイルではないこの曲も 僕は好きだ

「Honest i do – Jimmy Reed」


高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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