仲田修子話 71

修子が店でパチンコを打っているとふとある男子に目がとまった そこの従業員の中にすごく女の子ぽくて可愛い男の子が居たのだ 修子は「これはいい!」と思いすぐその子に「仕事終わったら一緒に喫茶店に行きませんか」と声をかけると彼はすごく喜んだ

そして彼の仕事が終わり一緒に出て喫茶店に着き、さて話をしようと思ったら彼はいきなりメソメソ泣き始めた ただ泣くばかりでほとんど会話も出来ないのだ 辛うじて訊き出せたのは彼が日大の芸術学部の映画学科に通ってることくらい あとはひたすら下を向いて泣き続けるので「こりゃダメだ」と思い修子は支払いをして喫茶店を出て家へと向かった

すると・・・彼は何と修子の後に付いてきたのだ 歩く修子の後ろをずうっと 修子はアパートに戻り部屋に入り「じゃあね」とドアを閉めたのだが・・・彼はその後も部屋のドアの外に立って泣き続けていた

それを見ていた修子の母が「可哀相だから入れてあげなよ」と言うので仕方なく部屋に入れてやった

部屋に入った彼が「お腹が空いている」というので素麺を茹でて食べさせたらガツガツと食べて、食べ終わった後「美味しかった?」と訊くとなんと答えは「不味かった」

「なんていう奴なんだ」と修子は呆れてしまった もうすっかりその子に対しての興味も消え失せていた ところが彼・・・そうそう、名前はイマイくんと言ったが何とそのまま彼は修子たちの部屋に住み着いてしまった

さすがに親子3人が暮らしている部屋に4人で住むわけにはいかない ちょうどその同じアパートに空いている3畳間があったので「そこに住めば」と言ったらイマイくんは本当にそこに引っ越してきて住み着いてしまった

イマイくんはなぜか修子のことを「ママ」と呼び「ママ、僕に誰か女の子を紹介して」などとおかしなことを頼むので、修子は仕方なく同じアニメ会社の同僚の娘を紹介してやった しかしすぐにフラれてしまいすると彼は修子に「ママ、あの子に仕返しして!」と頼み込むなどもう本当にダメぶりを全開させていた

もうすっかりイヤになった修子はもう何とかして追い出そうと、怒鳴りつけたり殴ったりと実力行使に出た ところが、あちこち殴ったり蹴ったりするとイマイくんはほとんど無抵抗で、もの凄く悲しそうに泣きながら「修子ちゃんが僕をいじめる」と言うので仕方なく薬局に行ってシップとかを買ってきて貼ってやったり・・・そういうことが何度も続いていた

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

出演するには?

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする