僕の八ヶ岳話2020 .6

そしてこの施設のもうひとつの目玉が「民俗資料館」だ。ここにはこの野辺山を含む八ヶ岳の西麓の高原地帯で暮らしてきた人々の生活の歴史にまつわる様々な時代の資料や展示物があるが、とても注目すべきものが展示されている。

それがこれ! ここに展示されてる黒い小さなもの・・・それは小さな黒曜石の破片のようなものだが、実はこれが石器・・・「細石刃」と呼ばれこの小さな石を動物の骨などで作った土台に埋め込んで矢じりやナイフなどとして使っていた・・・つまり「替え刃」式の刃物なのだ。源流は最近日本人のルーツの一つという学説が出ているシベリアのバイカル湖のほとりに住んでいる「ブリヤート人」という少数民族が使っていたものが氷河期に陸続きになってた北海道まで伝わり、それが後に日本列島を南下してきて、ここ野辺山まで伝わってきたようだ。この資料館からさほど遠くないところに「矢出川遺跡」というものがあり、その周囲からかなりの石器が発掘されて、これがまだ縄文時代より前に狩猟移動生活を送っていた人々の生活の痕跡だったという。そして、その後気候変動などによる生活環境の変化から彼らはこの地域に定着し、それが縄文時代の始まりに繋がっていったようだ。ここには興味深い資料がまだまだあるが、今回はそろそろ失礼して次の目的地を目指すことにした。

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