歌が伝わる         7日

今日はオープン前にピアノの調律が入った 本当はもう少し先の予定だったのだが昨年末近くに弦が1本切れてることが発覚 多分金属疲労なのだと思うがそれで急遽修理とメンテをお願いしたのだ ペンギンハウスも連日沢山の出演者が演奏していてピアノだけでなくほかの楽器や機材も傷んだり疲れたりするので目が離せないのだよね
さて、今日のライブの話に行こう 今日の出演者は全員弾き語りのソロ それも男性ばかりだ
最初の出演者はコーヘイフジノ 去年の夏前から半年以上出演がなかったが先月からまたカムバックした 前回は僕が休みだったので彼の演奏を見るのはずいぶん久しぶりだ さて、このブランクのあいだに彼がどんな変化をしたか・・・見守ることにした 前はエレキギターを弾いてたが今回はアコギを持っての演奏 そして、彼の演奏を聴いて僕は驚いた 相変わらず「殺す」だとか「火をつける」だとか物騒な歌詞がならぶ彼の曲だが、ボーカルがびっくりするくらいパワフルで迫力が増している 同じ曲でも聞こえ方が全然違う こちらに伝わってくる力がすごく強くなってきている これは今年の「弾き語り戦国時代」に強力な奴がまた一人参戦してくるぞお

そして2人目はご存知あさのおよぐだ 今年も大乱戦の火種になりそうな彼だが今日は二日酔いだそうでちょっとしんどそう それでもステージに立てばパンクエンジンにすぐ火がつく ギターアンプの音もぐわ~んと大音量!思わずマスター亜郎から指導が飛ぶ 「およぐ、うるさい!」(笑) その爆音に乗って今日も彼のパンクは炸裂する 「ラリルレ・ロックンロール!」・・・今年も頼むよ!

3番目はこの人 そうかあ、今年最初の月曜日かあ いつものオールドギブソンからひなびたようなスライドが漏れる 今年もSHABA-DABAのステージが始まった 黒のシャツにサングラスにパナマ帽子 お馴染みのコスチュームそしてあの声が 正月は元旦だけ休んで2日からお店をやったという彼は今年も早々からこの高円寺の飲んだくれの夜を見つめている そして、その中から見つけ出したのか・・・今日出来たばかりだと言って新曲を2つ披露 まだ未完成だと言ってたがなかなかいい曲だった 今年もまた第一月曜日は彼の歌を聴きにこようね!

そして最後は久しぶりにやってきたこの人 寺田町は今夜も使い込んだガットギターを抱え音叉でチューニング(最近では珍しくなった)をしてマイクの前に立つ 前回もそうだったように今回もPAはまったくリバーブなし 少しずつ暖機運転するようにギターを鳴らしながらゆっくりとマイクに近づく そしてあの独特のしわがれたような声が歌いだす ギターと歌・・・それだけでいい その確信をもう30年以上も持ち続け日本中を歌って歩く彼の足取りのひとつが今夜の高円寺にくっきりと足跡を残す 歌のひとつひとつの区切りがなんとも錆びた感じのバイブレーションと一緒に静かに消えながら聴き手の心に滑り込む なるほど、この歌にリバーブは必要ない 「ジミーさんは僕らの大先輩ですから」などと言って僕をリスペクトしてくれるが、あの時代いい加減に僕らが踏み荒らした跡を丁寧に道作りをしてちゃんとしたものを残してくれている彼に僕は頭が下がる 最後に歌った彼の親しかった人へのレクイエムの曲は最高にしみこんだなあ 今年もいい歌を よろしく

・・・こうして高円寺ライブハウスの夜はふけていった・・・

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