僕らの北沢話  16

修子の当時のユニット名は「仲田修子&ペーパーナイフ」と言ったScan0003

編成は 仲田修子(ag/vo)、有海治雄(ag/cho)、増田耕作(eb)の3人

曲はすべて修子のオリジナルで今の彼女がそうであるように当時もブルースだけでなく色々な音楽のエッセンスが入ったものすごく独特でクオリティーの高い曲ばかりだった

僕も自分のオリジナルにはかなり自信がこの当時からあったのだが「この人にはかなわない」・・・とその頃いつも思っていた

とくに驚くのはあの時代に彼女ががすでに今でも全然旧さを感じさせない名曲「シンデレラのお姉さん」「国立第七養老院」などを作って歌っていたことだ

「国立第七養老院」などは当時の人々にはよく理解できなかったようで、この曲を聴くとお客が客席で「ポカーン」と口をあけて見ていたと修子は言う

「今の時代になってようやくみんなが追いついて理解できるようになったみたいだね・・・」

先日のペンギンハウスでも大受けだったこの曲の当時の状況を振り返りながら笑いながら彼女は324話す

・・・そう、早すぎたのかも知れない 僕が出会う少し前に彼女が渋谷の「屋根裏」でやったライブの音源が残っている 独りで長い演奏時間をノンストップで歌う彼女の声は瑞々しい輝きに満ちていて、そしてその歌には怖ろしいほどの殺気がみなぎっている

「パンク」というものがまだ日本にも世界のどこにも存在すらしていなかった時代に彼女の歌はまるでパンクのようにその当時の世界を切り裂いていた そのインパクトは本当にすごいのだ

そして、今では決して手にすることのなくなったギター・・・修子の弾くギターは僕は歌の伴奏としては完璧でこれを超えるものはなかった・・・と思う

時には繊細に時には激烈に・・・つねに「歌」というものとの一番いい関係を作り出していた

そして彼女がストロークをするときの「ジャッキーン」という鋭いカッティング・・・いやあ、あれまた見たいなあ・・・と個人的に思うのですが いまだに僕はあれに追いつけないでいる

高円寺ライブハウス ペンギンハウス

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